梶田 美帆さん(左端)
学部2年生のプレ配属、学部3年生~修士2年生の本配属とで5年間研究室に在籍し、表彰1件、国際会議発表2件、国内会議発表9件(主著が6件)と、コロナ禍で大変ななか、わずか5年間ですごい成果を残しました。
まず学部2~3年生の頃には、ヤフー株式会社との共同研究でスマートフォンを操作している際のスマートフォンの動きから、操作のしづらさを検出するという研究に取り組みました。また、その研究を発展させ、スマートフォンを使っているときのスマホの動きから、親指の長さを推定するという研究にも取り組み、特に端の操作などから指の長さが推定できる可能性を明らかにしました。
また、学部4年生の頃には、本人のファンデーションでどこに塗ったかわからなくなり、また塗りすぎることもあるという問題意識から、10種のファンデーションを使いつつ、塗りむらをカメラ画像から推定する研究に取り組み、卒業論文としてまとめました。この成果は、残念ながらオンラインになってしまいましたが、国際会議でも発表しました。
修士では、そのファンデーションのぬりむらを顔の上に可視化しようとした時に、顔にヒートマップのようなものを提示すると嫌悪感を覚えるという問題に着目し、どういった可視化であれば受容されるのかとうことを模索する研究に取り組みました。この成果は、ようやく対面での参加が可能になった国際会議にも再録され、発表しました。さらに、スマートフォンで動作するぬりむら検出・可視化システムを実装し、実際に利用実験を行うことで、その有用性と課題を明らかにしました。この一連の研究で、学会で表彰されました。また修士における一連の研究を整理し、修士論文「ファンデーションの塗りムラの検出および可視化に関する研究」を書き上げました。
梶田さんは、とにかくサーベイする力が高く、研究室の論文紹介などで多様な研究テーマを紹介してくれ、学生たちの興味および知識の幅をずいぶん広げてくれました。また、研究室として知見がない領域においても、自身でしっかり調べシステムを開発するなど、研究室のテーマの幅を広げてくれました。
卒業後はエンジニアとして働いてます。どこかで見かけましたら、是非ともお声がけいただきますとともに、ご支援をよろしくお願いいたします。
業績
- 表彰
- 情報処理学会 ヒューマンコンピュータインタラクション研究会 HCI研究会貢献賞, 梶田美帆 (2022/11).
- 海外発表
- Miho Kajita, Satoshi Nakamura, Takayuki Itoh. Research on how to present images showing uneven foundation application that do not cause unfavorable impressions to the viewer, 34th Australian Conference on Human-Computer Interaction (OzCHI2022), 2022.
- Miho Kajita, Satoshi Nakamura. Basic Research on How to Apply Foundation Makeup Evenly on Your Own Face, International Conference on Entertainment Computing (IFIP ICEC 2021), pp.402-410, 2021.
- 国内発表
- 梶田 美帆, 杉本 知佳, 阿部 和樹, 中村 聡史, 山中 祥太: スマートフォンのセンサ情報によるUI評価手法の検討, 電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS), HCS-10, 沖縄 (2019/05/16).
- 梶田 美帆, 阿部 和樹, 中村 聡史, 山中 祥太. 親指の長さがスマートフォンの操作に及ぼす影響の調査と親指の長さの自動推定手法の検討, 情報処理学会 研究会報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2019-HCI-185, Issue.20, pp.1-8, 2019 (2019/12/11).
- 渡邉 聡, 望月 華, 二宮 洸太, 梶田 美帆, 中村 聡史. 印象にもとづくコミック検索に向けた服領域自動抽出と印象推定に関する検討, 第4回 コミック工学研究会, pp.38-45, 2020.
- 梶田 美帆, 中村 聡史. ファンデーションの塗りムラをなくすための基礎調査, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), C14-4, pp.1-8 2021.
- 梶田 美帆, 中村 聡史, 伊藤 貴之. 不快感を与えない顔への塗りムラ提示手法の検討, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-196, No.7, pp.1-8 (2022/01/11).
- 梶田 美帆, 中村 聡史, 伊藤 貴之. ファンデーションの塗りムラの検出と不快感のない可視化手法の実現利用, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-199, No.19, pp.1-8 (2022/08/22).
- 濱野 花莉, 梶田 美帆, 中村 聡史. 化粧品クチコミに特化した信憑性評価システムの実現とその評価, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-199, No.30, pp.1-8 (2022/08/23).
- 髙野 沙也香, 梶田 美帆, 濱野 花莉, 中村 聡史. Make-up FLOW: 個人差・状況差の大きい化粧工程の構造化と忘れやすさに関する調査, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-200, No.18, pp.1-8 (2022/11/09).
- 梶田 美帆, 中村 聡史, 伊藤 貴之. スマートフォンでのファンデーションの塗りムラ可視化システムの実現とその検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-200, No.38, pp.1-8 (2022/11/09).
- 学位論文
- 修士論文「ファンデーションの塗りムラの検出および可視化に関する研究」
- 卒業論文「ファンデーションの塗りムラをなくすための基礎検討」