2022年度 修了生:藤原 優花【修士(理学)】 #32

   

藤原 優花さん

学部3年生~修士2年生の4年間研究室に在籍し、表彰3件、国際会議発表1件、国内会議発表6件(主著が4件)と、コロナ禍で大変ななか、わずか4年間ですごい成果を残しました。

まず学部3年生の頃には、ジンズ株式会社との共同研究で、esportsなどのゲームにおいて振り返りを行う際に、重要なシーンを検出するため、JINS MEMEの集中度を使えないかを検討した研究を行いました。また、実験により勝敗に集中度や落ち着きなどの値が影響することや、中級者と上級者の評価が一致するが、初級者の評価はぶれることなども明らかにしました。

また4年生の頃には、藤原さん自身が一般色覚とは色の見え方が違うP型色覚であるということから、対戦ゲームにおいて色の見え方で不利になっているという問題を解決するべきではという考えのもと、そもそも一般色覚者と、色覚多様性者(ここではD型色覚)とがお互いに歩み寄ることで平等にゲームをプレイできる色条件を模索しました。また、残念ながらオンラインになってしまいましたが、国際会議に採録され、英語で発表するなどしました。またその成果を卒業研究としてまとめました。

修士では、卒業研究から進め、背景色も含めて色の有利不利はどのように現れるのかを検証しました。またこの成果は、学会で表彰されるなどしました。さらに、実際のゲームでも色覚多様性者の色の見え方を模倣可能な仕組みを実現し、Among Usというゲームでどのような問題が一般色覚者と色覚多様性者との間で生じているのかを明らかにしました。この成果は、同じく学会で表彰されるなどしました。また修士における一連の研究を整理し、修士論文「色覚特性を考慮した色変換によるゲームの有利不利制御手法」を書き上げました。

藤原さんは、ゲームに関する知識が特に豊富で、またその人脈をうまく活用し、高レベルのゲームプレイヤに協力してもらって実験を実施するなど、今までに中村研になかったゲーム関係の研究を一気に進めてくれました。また、一般色覚者と色覚多様性者との関係という大きな問題に真っ向から挑んでくれ、研究室のメンバーの色の見え方に関する理解や、他に注意するべき点などに関する知見を深めてくれました。また、後輩のプレゼン指導などを積極的にやってくれ、随分と研究室のプレゼンの底上げに貢献してくれました。

卒業後はエンジニアとして働いてます。どこかで見かけましたら、是非ともお声がけいただきますとともに、ご支援をよろしくお願いいたします。

 

業績

 - news, OBOG , , ,