2025年6月HCS研究会に参加してきました(木下裕一朗)

投稿者: | 2025年6月15日

中村研M2の木下裕一朗です.

2025年6月1, 2日に沖縄で開催されたHCS研究会に共著者として参加してきたので,その報告をさせていただきます.今回は聴講のみの参加だったので,特に気になった研究について書かせていただきます.

なお,私が共著の論文発表についての記事はこちらをご覧ください.

気になった研究

絵本推薦におけるロボットとヒトの影響 ~ 5歳児はロボットとの絵本探しを楽しむ ~

奥村優子, 服部正嗣, 藤田早苗, 小林哲生(日本電信電話株式会社)

こちらの研究は,子供にあった絵本探しが難しいという問題に着目し,子供の興味や発達に合った絵本探しの支援を目的としています.AIを用いた最適な絵本推薦システムは存在しますが,そういったシステムを利用していく中でロボットによる絵本推薦が効果的であるかは明らかでないため,その効果を検証していました.実験の結果,ロボットによる推薦が,絵本を読みたいという気持ちや絵本探しをするときの楽しさを向上させる可能性が示されました.

絵本に限らず,様々な推薦システムが存在しますが,システムの機能だけでなく,そのシステムをユーザが利用する際にユーザに説明するエージェントやロボットの存在がユーザ体験に大きく影響するということを,発表を通して実感できました.

 

他者の態度の誤認がカミングアウト支援に与える影響 ~ 非当事者の態度を題材とした実証的検討 ~

水野佑佳, 孟憲巍(名古屋大学)

こちらの研究は,日本が世界的に見て性的マイノリティであることをカミングアウトしづらい環境であるという問題に着目し,その解決のために周囲の人々による支援の必要性に着目していました.性的マイノリティの非当事者は,性的マイノリティに対する態度において多元的無知が生じているという仮説のもと実験を行っており,その結果,実際に多元的無知は生じており,性的マイノリティであることのカミングアウトに対する支援態度を抑制してしまっているということが明らかになりました.

発表の導入で,日本における性的マイノリティの割合は10%程度であるが,人数でいうと1000万人ほどいるという話を聞き,ハッとしました.カミングアウトしづらい環境を改善するためには,周囲の人々が声を上げる必要があり,そういった行動を促すために必要なことを考えていくことが大事だと思わされました.

 

今回紹介させていただいた研究の他にも興味深い発表が多く,非常に勉強になりました.

感想

沖縄に行ったのは2年前のHCS研究会以来でした.前回とは違って自身の発表がなく,聴講のみの参加だったので,少しリラックスして沖縄を楽しむことができました(笑).一緒に参加した中村研の後輩2人は発表があったのですが,2人とも堂々と発表していて素晴らしかったです.学会参加したことで,さらにモチベーションが高まったので,より一層研究に励んでいきたいと思います.

島らっきょう(大好きで出張中毎晩食べました)

最後までご覧いただき,ありがとうございました.

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