はじめに
こんにちは、中村研M1の藤原です。宣言が解除されたので久々に友人と飲みに行きたいこの頃です。最近また日本酒にはまっているので酒比べしながらご飯を食べたいです。
さて、2021年11月2日〜5日にオンラインで開催されたThe 20th IFIP INTERNATIONAL CONFERENCE ON ENTERTAINMENT COMPUTING(ICEC2021)にて研究発表を行ったので、ご報告させていただきます。
研究概要
近年オンラインゲームの人気が高まっており、様々な人が娯楽として楽しんでいます。しかし、ゲームでは単純な練習量・技量ではなく、「聴力が弱いから敵の位置がうまく把握できない」「視力が悪いから敵と味方の判断する時間がかかる」などの形でアンフェアな状況が生まれていることがあり、特に「色覚多様性者」に着目しました。
図1 研究の指標
色覚多様性者は色による情報の判断が難しくなり、一般色覚者と比べて反応速度が遅くなります。ゲーム制作側はその状況ではゲームを楽しめないと考え、色覚サポートを実装し、色覚多様性者が見えやすい状況を作っています。しかし本研究では一般色覚者と色覚多様性者のゲームバランスを平等にする方法の実現を目指しています。今回はは特に両者間で識別しやすい色の調査を行いました。
なお、この内容はHCI191で発表したものの成果を再整理し、英語化したものになります。
実験結果を分析したところ、一般色覚者にとって識別しやすい色と識別しにくい色、またD型色覚者にとって識別しやすい色と識別しにくい色が表1になりました。また、D型における識別容易色としてなりうる要因として、「彩度と明度の値に差がある」ことがわかりました。これらは識別容易色として調査する上で重要な指標ではありますが、今回は2色のみに限定し実験を行なったため、識別容易色となりうる要因としてはまだ不十分であると考えます。
表1 色の組み合わせごとにおける正答率と平均回答時間
今後は以下の3点に着目し、研究を行なっていく予定です。
- D型以外の色覚タイプにおける識別容易色の調査
- 実験協力者の対象を色覚多様性者に同様の実験・分析
- 複数の色における識別容易色の検討
また、識別容易色を用いたゲームにおける有利不利が実際に可能かどうか検証していきます。
スライドと原稿
感想
今回は初めての国際学会に参加しました。とはいいつつ、リモート参加だったので現地の雰囲気があんまりわかんないですが…実際にポルトガルに行ってみたかったです。本番では特に問題もなく、発表を終えることができました。忙しい中、原稿チェックや発表練習を見てくださった中村先生や先輩方には大変感謝しております。
英語が苦手だから自分は国際学会には参加しないと思っていたんですが、いざ参加してみると大変勉強になりました。だから英語ができるようになるわけではないですが。笑
来年こそはコロナも落ち着き、国際学会を現地参加できることを信じ、今後も研究を頑張っていこうと思います。
ピンバック: DEIM2022で「色覚特性によるゲームの有利不利の制御に向けた背景色を考慮したD型模擬フィルタを用いた実験による色の基礎検討」というタイトルでオンライン発表してきました(藤原優花)
ピンバック: EC2022で「色覚特性を考慮したゲームの有利不利制御のAmong Usを用いた検証」というタイトルで発表してきました(藤原優花) | 中村聡史研究室