山浦 祐明 さん
本配属の学部3~4年と,修士の1~2年の4年間研究室に所属し,表彰1件,国際会議発表2件(主著1件),国内会議発表12件(主著5件)の成果を残しました.
学部3年生では,ユーザの視線を取得し,その周辺視野部分をぼかすことによってコンテンツへの没入度などを高める研究に取り組みその有用性を明らかにしました.また,その成果が国際会議にも採録されました.
また学部4年生では,ポップアウトに関する研究に取り組み,少しだけ背景色を変更した商品が選択されやすくなることなどを明らかにしました.この研究は後輩に脈々と引き継がれ,自動販売機で飲料を実売する長期的な実験により,その特性をより明らかにすることができました.
修士に入ってからは学部3年生の頃の周辺視野ぼかしに関する研究テーマを集中に利用可能とするよう発展させ,ここではまたシステムとしても他のゲームやアプリケーションなどでも利用できるようにするため実装を改良し,各種ゲームや,タイピング,読書やライティングなど様々なものを対象に実験を行い,その集中に関する有用性について明らかにしました.また,妨害刺激の影響を受けにくくなることなどを明らかにしました.この一連の成果をまとめ修士論文「周辺視野領域のぼかし強調による集中促進手法」を完成させました.さらにこの一連の成果により,表彰されました.
山浦くんは,中村研の面倒な事務作業を引き受けてくれ,その取りまとめでとても助けられました.また周辺視野ぼかしと集中,ポップアウトによる選択行動変容など研究室の主テーマとなっていくような研究を開拓してくれ,その幅が広がりました.
4月からはエンジニアとして働いています.どこかで見かけましたら,是非ともお声がけいただきますとともに,ご支援をよろしくお願いいたします.
業績
- 表彰
- 国際会議発表
- Hiroaki Yamaura, Masayuki Tamura, Satoshi Nakamura: Image Blurring Method for Enhancing Digital Content Viewing Experience, HCI International 2018, HCI (1) 2018, pp.355-370 (2018/07/18).
- Mitsuki Hosoya, Hiroaki Yamaura, Satoshi Nakamura, Makoto Nakamura, Eiji Takamatsu, Yujiro Kitaide. Does the pop-out make an effect in the product selection of signage vending machine?, 17th IFIP TC.13 International Conference on Human-Computer Interaction (INTERACT 2019), Paphos, Cyprus, 2019.
- 国内会議発表
- 山浦祐明,田村 征優紀,中村聡史: 視線に追随したエフェクト重畳によるデジタルコンテンツの体験拡張手法の提案,情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI),2016-HCI-169(13),1-8(2016-08-22),2188-8760.
- 高橋 拓, 福地 翼, 山浦 祐明, 松井 啓司, 中村 聡史: 周辺視野における妨害刺激の減衰が集中度に及ぼす影響, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI),2017-HCI-175(7),1-8 (2017-10-25) , 2188-8760.
- 山浦 祐明, 中村 聡史: ポップアウトを利用した際のユーザの選択行動の変化の分析, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2018-HCI-177(15), pp.1-8 (2018-03-09) , 2188-8760.
- 高橋拓, 福地翼, 山浦祐明, 松井啓司, 中村聡史: タスク作業中の周辺視野への視覚刺激提示が集中に及ぼす影響の調査, 信学技報, vol. 118, no. 49, HCS2018-1, pp. 1-6 (2018/05/21).
- 細谷 美月, 山浦 祐明, 阿部 和樹, 中村 聡史: ポップアウトによるユーザの選択行動変容に関する分析, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2018-HCI-179(2), 1-8 (2018-08-13) , 2188-8760 (2018-08-20).
- 山浦 祐明, 中村 聡史: 視線に追随するぼかしエフェクトがビデオゲームの体験に及ぼす影響の調査, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2019-HCI-182(18), 1-8 (2019-03-11) , 2188-8760 (2019/03/19).
- 川島 拓也, 築舘 多藍, 細谷 美月, 山浦 祐明, 中村 聡史: 商品選択においてフォントがユーザの選択行動に及ぼす影響の調査, 電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS), HCS-23, 沖縄 (2019/05/17).
- 山浦 祐明, 中村 聡史: 視野特性を考慮した没入型エフェクトが作業時の集中力に及ぼす影響の調査, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2019-HCI-184(10), 1-8 (2019-07-15), 2188-8760 (2019/07/22).
- 濱野 花莉, 細谷 美月, 佐々木 美香子, 山浦 祐明, 中村 聡史: フォントと味の印象が商品選択行動に及ぼす影響, ヒューマンインタフェースシンポジウム2019, 京都 (2019/09/05).
- 藤原 優花, 南里 英幸, 山浦 祐明, 中村 聡史: 眼鏡型計測端末を用いたゲームプレイにおける重要なシーン抽出手法の検討, エンタテイメントコンピューティング2019 (2019/09/20).
- 山浦 祐明, 中村 聡史. 周辺視野へのぼかしエフェクトによるディスプレイ上の集中妨害効果の抑止, 情報処理学会 研究会報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2019-HCI-185, Issue.10, pp.1-8, 2019 (2019/12/10).
- 細谷 美月, 山浦 祐明, 中村 聡史, 中村 誠, 高松 英治: サイネージ型自動販売機の商品選択におけるポップアウトの有用性に関する検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2019-HCI-181 (28), 1-8 (2019-01-14), 2188-8760 (2019/01/22).
- 学位論文
- 卒業論文「ポップアウトによるユーザの選択行動変化に関する分析」
- 修士論文「周辺視野領域のぼかし強調による集中促進手法」