SIGHCI169で「視線に追随したエフェクトによるデジタルコンテンツの体験拡張手法の提案」の発表をしてきました。(山浦祐明)

投稿者: | 2016年9月29日

中村研B3の山浦です。

8月29、30日と山口県下関市の源平荘にて第169回情報処理学会ヒューマンインタラクション研究会(SIGHCI169)に参加し、研究発表をしてきたのでその報告をさせていただきます。

研究概要

画像や動画、電子書籍やゲームなどのデジタルコンテンツはひとを楽しませてくれるもので、ひとの生活を豊かにしてくれるもののひとつであると言えます。こうしたデジタルコンテンツは普通に楽しめるものですが、そのコンテンツを徹底的に楽しみつくす(やりこむ)ため、多様な楽しみ方も求められています。

ここで、デジタルコンテンツに対して演出を付与することで、その面白さを増幅する試みや研究は多くなされており、様々なシステムが開発されています。例えば、3DテレビやHMD(Head Mounted Display)にコンテンツを対応させることで視聴する際の没入感を向上させることができます。しかし、これまでの研究やシステムは面白さを増幅することができるものの、その分コンテンツを作り込むなどの手間がかかってしまうという問題が挙げられます。

そこで本研究ではコンテンツを作り込むことなく、そのコンテンツの体験を拡張することを目指しています。

さて、ひとの視界には中心視と周辺視があり、周辺視はぼんやりと見えているという特徴があります。この周辺視がぼんやり見えているという特性を活かし、視線の中央からやや離れた周辺視に該当する部分を、あえてさらにぼかし処理を加えることによって、手軽に面白さを増幅させるという視聴体験拡張の手法の提案を行いました。実現したシステムの様子は下記のような感じです。

 

 

 

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、左上に視線があるとき、右下に視線があるときは下記のような感じで見えます。これは画像に対して適用している例ですが、動画に対して適用するとかなりそれっぽく見えます。

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左上にフォーカス

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右上にフォーカス

また、面白さが増幅したかを検証するために印象変化についての調査実験を行いました。印象変化の結果としては

  • 立体感
  • 臨場感
  • 没入感
  • 緊張感

が増幅したことが明らかになりました。また、コンテンツ視聴中の視線の動きを計測したところ、一部の動画において視線が画面の中央部分に集中する傾向にあることが明らかになりました。

ちなみに、レトロゲームに対してこの手法を適用したところ、立体感が増してゲームがまた違った形で見えるなどの傾向がありました。そのため、今後は実際のゲームコンテンツをプレイした際にエフェクトを提示することで、どのように視聴体験が拡張されるのかということを調査する予定です。また、色の明度・彩度に着目した新たなエフェクトの実装も考えています。

投稿した論文は以下のリンクからダウンロードできますので、興味がありましたらぜひご覧ください。

山浦祐明,田村征優紀,中村聡史:視線に追随したエフェクト重畳によるデジタルコンテンツの体験拡張手法の提案,情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI),2016-HCI-169(13),1-8(2016-08-22),2188-8760

発表に使用したスライドは以下の通りです。

 

感想

初めての学会発表ということだったので不安がいっぱいでしたが、発表練習の甲斐もあり比較的いつも通りのプレゼンを行うことができました。ですが、質疑ではあまりうまく答えることができなかったので次の発表ではしっかり答えられるようにしたいです。また、多くの方々からご意見、アドバイスをいただいたので今後の研究に活かしていきたいと考えています。

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発表中の様子

今回の発表会場は下関ということだったので、お宿のご飯はふぐのフルコースでした。初めてふぐを食べたのですが、ふぐは美味しい!という知見を得ることができました。また、ふぐの表記を「ふく」としているお店が多くありました。これは、フグと福をかけて縁起をかついでいるそうです。

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とてもおいしい夕食でした!