はじめに
こんにちは。B4の中川です。厳しい寒さが続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
さて、1月16, 17日に石垣島で開催されたHCI201にて発表してきましたのでその報告をさせていただきます。
研究概要
みなさん、動物園や水族館に行く機会は多いですか?
たくさんの生き物を間近で観察できる動物園や水族館は人気の高いレジャー施設です。しかし、展示された生き物をただ眺めるだけでおわってしまい、観察した生き物がその後の記憶に残らないと観察の楽しみが低減するだけでなく、その施設のリピーター減少や観察学習効果の低下につながってしまいます。
特に生き物の中でも人気の高いペンギンは数十羽単位で飼育されていることが多く、それぞれの個体に注目してよく観察するのは難しいでしょう。多くの水族館ではすべての個体に名前をつけて紹介する展示をしていますが、たくさんの個体の中からお目当ての名前のペンギンを見つけ出すのは困難ですよね。
そこで、個体に注目した観察を促し、興味や記憶につながる観察の支援手法としてぬりえに着目しました。
ぬりえと検索
ペンギンには腹部に個体ごとに異なる斑点模様があります。この模様に着目して、個体識別をすることや個体の名前を覚えることで愛着が増し、観察の楽しみを増幅できるのではないかと考えました。
具体的には腹部模様をぬりえしながら観察し、さらにそのぬりえから今観察しているペンギンの名前を検索するシステムを提案しました。手元のスマートフォンで、手を動かしながら能動的に観察することやぬりえから名前を検索するという過程が、ペンギンへの愛着や興味の増加・その後の記憶につながると考えられます。
今回は研究の初期段階として、スマートフォン上でぬりえをしてそのデータを収集するシステムを実装し、ぬりえからペンギンの名前を検索できるかどうかを検討しました。
実験
システムを使って、大学生・大学院生22名に5羽のペンギンの動画や画像をみながら腹部模様をぬりえしてもらう実験をしました。
結果と考察
ぬりえしたペンギン5羽について実験参加者22名分、合計で110個のぬりえが集まりました。
システムで得られたぬりえのデータからぬりえどうしの類似度を計算し、ペンギンの識別が可能であるか評価しました。
110個すべてのぬりえどうしの組み合わせについて類似度を計算して可視化したものが下の図になります(類似度がかなり高いものを濃い赤、高いものを薄い赤で塗りつぶし)。
この図から分かるように同じペンギンについてのぬりえ同士の類似度は高く、異なるペンギンについてのぬりえ同士の類似度は低く評価されており、ぬりえからペンギンを識別することは可能であると考えられます。
ただ、ローズともとについて、模様が似ていたために異なるペンギンであるにもかかわらず類似度が高く評価されてしまいました。今後は分析アルゴリズムを改良して識別の精度を上げていき、最終的にはぬりえからペンギンの名前検索までできるシステムを実装する予定です!
発表スライド
論文情報
おわりに
今まではコロナウイルスの影響があり、今回がはじめての登壇発表でした!ものすごく緊張しましたが、とてもいい経験になったと思います。去年オンラインになってしまった石垣島での学会に今年リベンジ参加できて嬉しかったです。食べ物がとても美味しくて幸せでした〜!
最後になりますが、多くのサポートをしていただいた中村先生、研究室のみなさんに心から感謝いたします。ありがとうございました。
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