OzCHI2023にて「A Drawing-type Observation and Retrieval Method Focusing on the Abdominal Pattern of Penguins」というタイトルで発表してきました(中川由貴)

   

はじめに

こんにちは。中村研究室M1の中川です。

寒さが一段と厳しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

さて、2023年12月2日〜6日にニュージーランドのウェリントンで開催されたOzCHI2023にて発表をしてきましたので、その報告をさせていただきます。

今回発表した内容は,2023年の1月にHCI201で発表した研究内容HCS5月研究会で発表した内容を再整理して、英語化したものになりますので、よろしければそちらもあわせてご覧ください。

 

研究概要

水族館でのペンギンの観察をより楽しく、記憶に残りやすいものにするため、ペンギンのお腹の模様をぬりえして、さらにそのぬりえからペンギンの名前を検索するシステムを提案しました。

ペンギンには、お腹に個体ごとに異なる斑点模様があり、同じ模様のペンギンはいません。私たちは、この模様を使ってペンギンを識別できるのではないかと考えました。多くの水族館ではペンギンに名前をつけていますが、自分がみたペンギンの名前を調べるのは難しいですよね。そこで、腹部模様をぬりえして、そのぬりえからペンギンの名前を知ることができれば、ペンギンに対する愛着が湧いたり、印象に残ったり、観察自体が楽しくなったりと観察支援につながると考えました。

ペンギンのお腹の模様

ペンギンのお腹の模様

 

この論文は、研究の初期段階として、ぬりえからペンギンの個体を見分けることができるのかどうかを調査したものです。具体的には、スマホでペンギンのぬりえができるシステムを開発して集めたたくさんのぬりえデータについて、ぬりえ同士の類似度を求めました。その結果、同じペンギンを描いたぬりえ同士の類似度は高く、異なるペンギンを描いたぬりえ同士の類似度は低く評価され、類似度ベースでのペンギンの個体識別が可能であることが示唆されました。

ぬりえ同士の類似度の可視化

 

また、ひとがペンギンの模様を描く傾向を明らかにするためお腹の模様の描画順を可視化分析しました。分析の結果、多くの人がお腹の左上から右下にかけて、さらにお腹の周りの模様は時計回りに描く傾向があることがわかりました。

ペンギンのぬりえの傾向

 

今後は、水族館での実験をしてシステムの有用性を検証していく予定です!

発表スライド

論文情報

Yuki Nakagawa, Satoshi Nakamura. A Drawing-type Observation and Retrieval Method Focusing on the Abdominal Pattern of Penguins, 35th Australian Conference on Human-Computer Interaction (HCI), 2023.

DOI: https://doi.org/10.1145/3638380.3638424

おわりに

国際学会への参加は3回目でしたが、今回が初めての口頭発表でとても緊張しました。現地ではたくさんの人と交流できて自分の成長にも繋がりましたし、今後のモチベーションがさらに高まりました。また、2023年は国内・海外合わせて6回も学会で発表させていただき、研究づくめの日々でした。2024年もさらにレベルアップできるように精進します!

ウェリントンは、想像していたよりも都会でお店も多く、ごはんもおいしかったです。景色が綺麗な場所がたくさんありました。

フラットホワイト飲み比べ

 

ケーブルカー

 

山の上からの景色

 

最後になりますが、お忙しい中たくさんのサポートをしていただいた中村先生、研究室のみなさんに心から感謝いたします。

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