第195回HCI研究会で「BingoFit: 所有する衣服の活用に向けたビンゴゲーム型衣服提示システムの提案」というタイトルで発表してきました(青木由樹乃)

      2023/01/05

はじめに

こんにちは!B4の青木由樹乃です。

2021年の11/30~12/1に淡路島での現地とオンラインのハイブリッド形式で開催されたHCI研究会で、「BingoFit: 所有する衣服の活用に向けたビンゴゲーム型衣服提示システムの提案」というタイトルで発表させていただきました。今回はその報告をさせていただきます!

研究概要

背景

皆さんはついつい同じ服を着用してしまったり、クローゼットの奥にしまわれた衣服の存在を忘れてしまったりすることはありませんか?
私は約250着の衣服を所有しているのですが、その中にはお気に入りで頻繁に着用する衣服もあれば、存在を忘れて数年着用していない衣服など様々なものがあります。
このように、人々は複数の衣服を所有していますがそれらの衣服を全て活用することは困難です。
そこで本研究は所有する衣服の着用回数の偏りに着目し、ビンゴゲームの要素を取り入れ所有する衣服を満遍なく着用させることで衣服の活用を促進させるシステムBingoFitを提案しました。

 

BingoFit手法の概要

5×5の25マスに所有する衣服をランダムな順番で並べ、提示された衣服の中から1週間毎日コーディネートを組み、その衣服のマスを埋めていくことでビンゴを作る手法となっています。

このようにBingoFitを利用して日々の着用する衣服を選択していくことで、

  • 今までのパターン化されたコーディネートとは違った新しいコーディネートの発見の促進
  • 特定の衣服を頻繁に着用することや着用することなくタンスの肥やしがあることで生じる、着用する衣服の偏りの解消
  • 一定期間同じビンゴカードから衣服を選択することで、前後の日のスケジュールやTPOを考慮した衣服の着用の計画

が期待でき、所有する衣服の活用に有効であると考えました。

 

実験と結果

実際に女子大学生9名にBingoFitシステムを利用してコーディネートを行う実験を2週間実施し、提案手法の有用性を検証しました。
実験の結果(一部抜粋)は下図のようになりました。

1週間でリーチした実験協力者は1週目に4名、2週目に1名、ビンゴをした人は1週目に3名、2週目に1名いました。
実験後に行ったアンケートより、実験協力者全員に久しぶりに着た服や新しい組み合わせがあったことがわかりました。また5名からどのように着用するとビンゴを作れるのか計画をする傾向が見られました。

これらのことからBingoFitを利用したコーディネートを行うことで、新しいコーディネートの発見の促進や着ていない服を着るきっかけが生まれること、衣服の着用計画を立てるようになり、衣服の活用の促進に有効であることが示唆されました。

今回の実験は夏に実施したため、今後は冬服や他の季節でも実験を行い、一年を通したBingoFitの有用性を調査していきたいと考えています。またトップスやボトムスの位置関係によるビンゴの作りやすさの違いなども今後明らかにしていきたいです。

 

以下が論文と発表で使用したスライドとなります。詳しい内容はこちらをご覧ください。

論文&スライド

 

青木 由樹乃, 横山 幸大, 中村 聡史. BingoFit: 所有する衣服の活用に向けたビンゴゲーム型衣服提示システムの提案, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2021-HCI-195, No.41, pp.1-8, 2021.

 

感想

昨年同様、淡路島現地での発表をすることができました。コロナ禍での学会発表となりましたが、研究室のみんなと現地で発表することができ、とても楽しい発表となりました。このような機会をいただけたこと、学会運営など関係者の方々にはとても感謝しております。

大阪と神戸に寄って少し観光をしました!神戸の中華街は初めて行ったのですが、とても綺麗ですごく感動しました!それとたくさん美味しいものを食べることができたので幸せでした〜〜〜〜

先輩方や同期、後輩ともいつもと違った形で関わることができとても貴重な時間となりました!楽しかったです!

最後になりますが、ご指導いただいた中村先生、実験協力やサポートしてくださった研究室の方々に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

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