又吉 康綱さん
学部3~4年生+修士1~2年生の合計4年間(プレ配属の学部2年生も含めると5年間)研究室に在籍し、表彰5件、国際会議発表2件、国内会議発表14件(主著が6件)と、わずか4年間でかなりの成果を残しました。
研究は、学部3年生の頃には手書きのノートをリアルタイムに過去の自身の手書き文字や、他者の手書き文字と平均化してきれいにしていく平均手書きノートの研究を行い、サービス化しました。またこの研究は国際会議でも発表を行ったり、受賞するなどしました。この成果は、共同研究費の獲得にもつながっています。
学部4年生では、プログラミング教育を支援するため、プログラミングにおいて抽象化が難しいことに着目して、ツリーで抽象化を行い、またそのツリーのノードに合わせてプログラムを記述し、それぞれを相互に連動させるシステムを提案、実装し、有用性について複数の実験を行うことで検証しました。
修士では、当初ダンスのモーション修正に関する研究に取り組んでいたのですが、2020年度に入ってから新型コロナウィルスの影響でプログラミング教育が厳しくなる状況において、そのプログラミングにおける基礎力を向上させるための写経+タイピング+動的提示を行う typing.run システムを提案および開発し、100人以上の講義で実運用し、底上げに成功しました。また、消極的な人でもオンラインで質問応答可能とする askTA システムの提案および開発し、こちらもまた100人以上の演習講義を無事成り立たせることに成功しました。この成果をまとめ、修士論文「オンライン時代でのプログラミング初年次教育を円滑にする手法と実践」を書き上げました。
又吉くんは、もともと自己推薦入試においてプログラミング能力の高さを評価されて入学してきただけあって、開発能力は抜きん出ており、様々なプロジェクトにおいて貢献してくれました。特に、コロナ禍の緊急事態における、タイピングシステムの開発、TAへの質問応答を手軽かつ柔軟に行えるシステムの開発については、恐るべき速度でシステムを作り上げ、100人以上が受講する講義で運用可能なものとしました。また、随時アップデートを繰り返し、そのシステムの精度を向上させていくなど、力をいかんなく発揮しました。
4月からエンジニアとして働いてます。どこかで見かけましたら、是非ともお声がけいただきますとともに、ご支援をよろしくお願いいたします。
業績
- 表彰
- ARG 第10回Webインテリジェンスとインタラクション研究会 優秀論文賞, 又吉 康綱,久保田 夏美,斉藤 絢基,大島 遼,鈴木 正明,中村 聡史, 自他との平均化により手書きをきれいにするシステムの提案 (2017/07/08).
- ARG 第11回Webインテリジェンスとインタラクション研究会 優秀ステージ発表賞, 又吉 康綱,久保田 夏美,斉藤 絢基,大島 遼,鈴木 正明,中村 聡史.
- Inkathon with DOCOMO and Fujitsu 審査員特別賞, 又吉康綱ほか (2018/03).
- 情報処理学会 第189回 ヒューマンコンピュータインタラクション研究会 学生奨励賞, 又吉 康綱 (2020/09).
- WISS2020 最優秀発表賞, 又吉康綱(2020/12).
- 国際会議
- Yasutsuna Matayoshi, Satoshi Nakamura, Ryo Oshima: Mojirage: Average Handwritten Note, International Conference on Advanced Visual Interfaces 2018 (AVI 2018), Grosseto, Italy (2018/05/31). [Demo]
- Yasutsuna Matayoshi, Satoshi Nakamura. Abstract Thinking Description System for Programming Education Facilitation, International Conference on Human-Computer Interaction (HCII 2020), No.LNCS 12206, pp.76-92, 2020.
- 国内発表
- 又吉 康綱,久保田 夏美,斉藤 絢基,大島 遼,鈴木 正明,中村 聡史: 自他との平均化により手書きをきれいにするシステムの提案, ARG 第10回Webインテリジェンスとインタラクション研究会 (2017/07/08).
- 福地翼, 又吉康綱, 松井啓司, 中村聡史: IllumiFrame:錯視図形を利用した額縁型視聴体験拡張システム, 第24回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2016)論文集, December 2016.
- 又吉 康綱,久保田 夏美,斉藤 絢基,大島 遼,中村 聡史,鈴木 正明: 平均手書きノート, 第25回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2017)論文集, December 2017.
- 佐々木美香子, 斉藤絢基, 新納真次郎, 又吉康綱, 中村聡史, 鈴木正明: 手書きとフォントの融合による視認性向上と書き手の抵抗軽減に関する調査, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2018-HCI-176, 1-7(2018-01-15), 2188-8760.
- 又吉 康綱, 中村 聡史: プログラミング教育円滑化のための抽象的思考記述システム, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2019-HCI-184(14), 1-8 (2019-07-15), 2188-8760 (2019/07/23).
- 二宮 洸太, 又吉 康綱, 中村 聡史: 崩れた手書き文字の平均化による美化可能性の検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2019-HCI-184(15), 1-8 (2019-07-15), 2188-8760 (2019/07/23).
- 又吉 康綱, 小山 裕己, 深山 覚, 後藤 真孝, 中村 聡史: 画像の類似度を用いたダンス動画モーション訂正手法, 第27回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ (WISS2019), 2019/09/25.
- 二宮 洸太, 又吉 康綱, 中村 聡史, 鈴木 正明, 掛 晃幸, 石丸 築. 平均化による崩れ文字可読化のための補正文字選定手法, 第12回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム, オンライン開催, 2020/03/04.
- 松山 直人, 又吉 康綱, 中村 聡史. メッセージ画面のスクリーンショットを用いた横断型返信忘れ防止手法の検討, 情報処理学会 研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN), Vol.2020-GN-110, No.18, pp.1-8, 2020/03/17.
- 又吉 康綱, 中村 聡史. askTA : 消極的な受講生でも質問可能なオンライン演習講義支援システム, 第28回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS 2020), 2020.
- 又吉 康綱, 中村 聡史. typing.run: 初学者のプログラミング学習を支援するプログラムタイピングシステムの提案と実践, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2020-HCI-189, No.1, pp.1-8, 2020.
- 青木 由樹乃, 古市 冴佳, 又吉 康綱, 中村 聡史, 掛 晃幸, 石丸 築. 多人数での手書き環境において文字の綺麗さが与える影響の調査, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2020-HCI-190, No.24, pp.1-8, 2020.
- 杉本 知佳, 又吉 康綱, 古市 冴佳, 中村 聡史. オンラインミーティングでの発言障壁を低減するカードによる匿名での意思表示支援手法, 情報処理学会 研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN), Vol.2021-GN-113, No.1, pp.1-8 (2021/03/15).
- 学位論文
- 修士論文「オンライン時代でのプログラミング初年次教育を円滑にする手法と実践」
- 卒業論文「プログラミング教育円滑化のための抽象的思考記述システムの提案」