今年度から中村研究室に配属されましたB3の青木由樹乃です。
2020/12/8-9に淡路島での現地とオンラインのハイブリッド形式で開催されたHCI研究会で、ワコムさんと共同研究の成果を「多人数での手書き環境において文字の綺麗さが与える影響の調査」というタイトルで発表させていただきました。その報告をさせていただきます!
研究概要
突然ですが………
お世話になった先輩へ寄せ書きを送る際、皆様はどこに書き込むでしょうか?
(こんな感じの寄せ書きは実際はありませんが実験のためこうしています)
この研究は、上のような寄せ書きや芳名帳などのように、多人数で同じ場所に手書き文字を書き込む際、ひとはどこに書き込みを行うのか、また、書き込みを行う際どのような影響を受けるのかに興味を持ち、研究を行いました。
いまだに手書きを行う機会というのは多く存在します。また、自身の手書きにコンプレックスを抱えているひとは多く存在し、他者に自身の手書き文字を見られることに恥ずかしさを感じるひとがいます。
このことから、多人数で同じ場所に手書き文字を書き込む状況では、手書き文字の綺麗さはひとの書き込みに何か影響を与えるのではないかと考えました。
そこで本研究は、
”手書きが苦手な人は、綺麗でない文字が集まるところに書き込むのではないか”
という仮説を立て、手書き文字の綺麗さによる書き込み場所の変化について調査しました。
この仮説を検証するために、いくつか手書き文字が書き込んである画像の中に自分が書き込む場所を選択するタスクをYahoo!クラウドソーシングのユーザ917名に実施しました。
クラウドソーシングでは不真面目な回答をするひとが結構いますので、まず事前にブロックリストを作り、そして選択肢のアルファベット順をランダムにしつつ、あえて存在しない選択肢を毎回混入させることによって、不真面目な回答をあぶりだすということをしました。
実験の結果の一部は下図みたいな感じだったのですが、
自身の手書きに自信を持っていない人、綺麗でないと思っている人は、
自信がある人や綺麗な人と比べて、綺麗でない文字の周辺を選ぶ傾向がある
ということがわかりました。
また今回の実験では、全体的に綺麗な文字の周辺に書き込むという興味深い傾向が見られました。これは、使用する手書き文字の綺麗さの程度によってまた異なる結果が得られるのではないかと考えています。
今後は、書き込み場所の他に、書き込む量や書き込む内容といったものも手書き文字の綺麗さによる影響を受けるのかどうかについても調査していきたいと考えています。
スライド
感想
初めての学会発表ということで、慣れない準備や現地の緊張感など、正直とても大変でしたが、無事発表を終えることができ本当に良かったです。貴重な体験をさせていただいたなと感じております。
今回、現地とオンラインのハイブリッド開催ということでしたが、淡路島に行くことができて良かったです!とても良い所でした〜
ご飯もとても美味しかったです!
そして何より、一緒に行った同期2人の存在はとても大きかったです。楽しいことも不安や緊張も共有でき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
最後に、今回、沢山の方々にサポートしていただき、なんとか発表することができました。ご指導してくださった中村先生、古市さん、又吉さん、研究室の方々、また主催者の方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。
まだまだ未熟者ですが、精進していきたいと思います!
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