第113回GN研究会で「オンラインミーティングでの発言障壁を低減するカードによる匿名での意思表示支援手法」というタイトルで発表してきました(杉本知佳)

投稿者: | 2021年3月16日

こんにちは、中村研B4の杉本知佳です。

3月も半ばに差し掛かり、桜も来週には満開になりそうですね。今年は思ったよりも花粉で目がやられていないです!

さて今回は、2021年3月15日〜16日にオンラインで開催された第113回グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会にて、研究発表を行いましたので、その報告をさせていただきます。

研究内容

2020年、皆様もご存知の通り新型コロナウイルスが日本を含め世界中で流行し始めました。人と会うことが制限されたため、対面で行われていたことは半強制的にオンラインに置き換わりました。

そこで、たくさんのWeb会議システムを利用し、対面で行っていたことをオンラインで行うようになり、オンラインでも十分に様々なことができるとわかった今、Web会議システムの利用はこれからも継続されると考えられます。

より良いミーティングにするためには、その場を仕切る人のみが発言するのではなく、ミーティングの参加者それぞれが周囲に耳を傾けながら意見交換をする必要があるとされています。しかし、実際には、発言者は一部の人に偏ってしまい、全員が積極的に参加できていると言える状況は少ないです。

発言が偏る原因としては、

  • 消極的な性格から発言したくても発言できない
  • 話の内容や自分の考えをまとめるのに時間がかかり、発言のタイミングを逃す
  • カメラオフのミーティングが行われるようになったことから、ついつい内職をしてしまう、対面と比べて参加意識が下がる

などが考えられます。

そこで本研究では、「発言のタイミングを逃す人や発言しづらいと感じる人を支援することで発言の偏りを減らすとともに、オンラインミーティングにおける参加意識を高める」ことを目的としました。

  • 発言することに対する心理的抵抗を軽減できるような仕組み
  • 匿名で気軽に行えるような仕組み
  • 参加意識を高めるために、参加者が感じない程度の義務感を持たせられるような仕組み

以上を実現するために、

  • 意思表示の書かれたカードを手持ちのカードとして持ち、それらをミーティング中に匿名で場に出す
  • 自分がこのカードを出さないといけない!といった意識を持たせ、参加意識を高めるべく、できるだけ全員違うカードを配布する

というコミュニケーションデザインを考案しました。

また、こちらに加え、実装する際には発言被りの問題を解決するための「発話スイッチ」と賛同の意思を気軽に表すことのできる「いいねボタン」というものを合わせて作りました。

最終的に使用したカードはこちらの10枚です。

  • 話したい 3枚
  • そろそろ他の人も話そう! 1枚
  • みんなはどう思う? 1枚
  • ちょっと待った 1枚
  • 整理する時間がほしい 1枚
  • 話題を少し変えよう 1枚
  • 誰か補足してほしい 1枚
  • 音声の調子が悪いかも 1枚

こちらはシステムの画面です(6人分の画面)。

システムを利用した30分のミーティングを1グループあたり2回行う実験を実施し、カードの使い方を見たところ、本実験では「話したい」カードや「みんなはどう思う?」カードが多く使用された結果となりました。

また、ミーティングにおける様々な意思が書かれたカードを匿名で出すことは、

  • 次の発言者が発言しやすくなるもの
  • 自身が話すきっかけ

として使用できたことが示唆されました。

なお、先輩後輩が含まれる時にカードの文言の内容や言葉遣いが気になるというコメントもあったのでその点は改良する必要があるかなと思います。また、ユーザインタフェースに関しても、今後改良をしていく必要があると考えています。

詳細につきましては、以下、スライドと論文を載せますのでご興味ございましたらご覧ください。

発表スライド

発表論文

杉本 知佳, 又吉 康綱, 古市 冴佳, 中村 聡史. オンラインミーティングでの発言障壁を低減するカードによる匿名での意思表示支援手法, 情報処理学会 研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN), Vol.2021-GN-113, No.1, pp.1-8, 2021.

 

最後に

2回目のオンライン発表でした。20分発表に10分質疑はかなり怖かったのですが、落ち着いてできたかなと思っています!

ちょうど1年前に発表をした際は、オンライン発表は「最初で最後であってほしい!」と思っていたのですが、コロナとは今後も当分は共存していかなければならないのでしょう…涙

しかしそのおかげで、というか、発表の通り、オンラインミーティングをする機会が本当に増えてそこでの問題点をどうにかしたい!という問題意識が芽生え、研究テーマにすることもできました。とはいえ、マスクなしで人に気兼ねなく会える日々が早く戻ることを切に願っています!

また、今回が最後の学会発表となります。
私は、学業で成果をしっかり残すことと所属した体育会を最後まで続けること、というのを自分なりの最終目標としていました。しかし実際は、プレ配属のB2の頃も含め3年間、中村先生と先輩方、同期には大変ご迷惑をお掛けしました。走りきることができたのは、中村研究室の方々の支えがあったからこそです。心から感謝しています。本当にありがとうございました!

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  1. ピンバック: 2020年度 修了生: 又吉 康綱【修士(工学)】#20 | 中村聡史研究室

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