HCS研究会にて「画像選択肢の漸次的提示における表示形式とその速度が選択に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました(金谷一輝)

投稿者: | 2025年6月8日

はじめに

こんにちは!B4になり、卒論も考え始めないといけなく、やや焦っている金谷一輝です

2025年6月1日・2日に沖縄産業支援センターで開催されたヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)にて研究報告を行いましたので、ご報告させていただきます。

画像選択肢の漸次的提示における表示形式をその速度が選択に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました。

この研究は、HCS2024年8月研究会で発表した研究の続きですので、よろしければそちらも併せてご覧ください。

 

研究概要

背景

みなさんは通信遅延やファイルサイズが大きいときに、以下のように画像が表示されるのを見たことがありませんか?

このように画像の解像度における漸次的表示を、JPEG画像では「プログレッシブ形式」、PNG画像では「インタレース形式」と呼ばれています。

以下の画像のように、ショッピングサイトやキャラクタの人気投票などにおいて、この解像度における漸次的表示の速度が他の選択肢と異なる場合、ユーザの選択を誘導しうる可能性があり、ダークパターンに該当するのではないかと考えました。ここでいうダークパターンとは、企業の利益となるようにユーザの行動を誘導するデザインを指します。

 

本研究の目的は、4択の画像選択肢における解像度の漸次的表示速度の違いが人の選択行動に及ぼす影響を明らかにすることです。

 

実験

選択誘導を検証する質問に、「自宅に飾りたいチューリップを1つ選んでください」といったような、ユーザの嗜好にあった選択肢を1つ選んでもらうといった実験です。また、今回はインターネット上で見る解像度での漸次的表示として以下の映像にあるようなblur手法とpixel手法の2種類を用意しました。実験参加者は実験サイトにアクセスした段階でblur手法かpixel手法かのどちらかに割り振ることとしました。

 

また漸次的表示の速度として、前回の実験と同様に等速条件・先行条件・遅延条件の3条件を用意しました。各実験参加者には、先行・遅延・等速を5問ずつ割り振りました。実験はインターネット上で行うため不真面目な回答者がいることが考えられます。そういった不真面目な回答者を除くために、ダミー質問とキャリブレーションの2つのAttention Checkを用意しました。

 

実験はYahoo!クラウドソーシングにて募集し、男女500名ずつの計1,000名から回答を得ました。

結果

実験の結果として、漸次的表示の速度が速い、つまり先行表示した選択肢が選ばれやすいことがわかりました。各位置での選択率についても分析を行いました。

 

各棒グラフの位置は実際の選択肢の表示位置に対応しており、点線は4択における期待値の25%を示しています。グラフの各数字はその位置で先行表示を行った時のその位置の選択率を表しています。右下以外の3か所では期待値である25%を大きく超えていることがわかるかと思います。右下だけ期待値を下回った理由としましては、人間の視線の動きが関係していると考えられます。

また先行条件において手法別で各位置について分析したところ、赤色がblur手法で、紫がpixel手法の選択率です。

blur手法(赤色)のほうでは4か所すべてで期待値上回っています。また、pixel手法(紫)では右下が期待値を大きく下回っているものの、それ以外の3か所では約30%を超える選択率となりました。

 

考察

先行表示については、先行選択肢が他の選択肢よりも先に画像全体が表示されるため、最初に目についたものが強く印象に残る初頭効果が表れたと考えられます。

 

 

 

 

 

この結果より、選択インタフェースにおいて選択肢となる画像の表示速度が変化すると、先に表示された選択肢にユーザの選択を誘導しうる可能性が示されました。したがって、前回の研究と併せて画像選択肢について、その表示形式問わず先行表示がユーザの選択を誘導し、ダークパターンとなることが明らかになりました。

 

質疑でいただいた質問やコメント

  • 先行表示に関する考察で、心理学的な理論として初頭効果以外にも考えられないか?
  • この研究はダークパターンの細かい部分を研究しているだけに見えるので、公平なショッピングサイト設計みたいにもう少し幅広く見るのが良いと思う

発表スライドと論文紹介

発表スライド

 

論文情報

金谷 一輝, 徳原 眞彩, 三山 貴也, 木下 裕一朗, 中村 聡史. 画像選択肢の漸次的提示における表示形式とその速度が選択に及ぼす影響, 信学技報, Vol.125, No.46, HCS2025-20, pp.95-100, 2025.

おわりに

今回僕は人生初めての沖縄ということで、一緒に行った3人の中で一番ワクワクしてたと思います!(笑)

学会は2~3日目だったので、まず沖縄に着いた初日は、海沿いで景色がきれいなアメリカンビレッジや、首里城、国際通りを歩き、THE・沖縄という場所を観光できました!

アメリカンビレッジ

海増で景色がきれいでした(晴れてよかった!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国際通り

首里城

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2、3日目の学会日の昼ごはんに沖縄そば、学会の懇親会ではゴーヤチャンプルーや海ぶどう、ラフテー(と呼ばれる角煮)、打ち上げにアグー豚のしゃぶしゃぶなどたくさんの沖縄料理を堪能しました!

沖縄そば

ゴーヤチャンプルー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アグー豚

海ぶどう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終日は飛行機の時間まで、波上宮という神社と、空港の南にあるウミカジテラスというアイランドリゾートに行きました!タコライスやマンゴーシェイク、そして日帰り温泉にも入りアイスも食べて最高に沖縄を満喫できた気がします!

波上宮

タコライスとタコス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マンゴーシェイク

ブルーシール(沖縄で3回食べた)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生初めての沖縄で、最高のメンバーで行けて楽しかったです!面白くて頼りになる先輩や同期がいると心強くていつも助けてもらってばかりですね。今回の沖縄も常に笑ってたと思います(笑)

また、沖縄に行けるようこれからも頑張ろうと思いました!

 

 

 

 

 

 

 

最後になりますが、論文執筆と発表に関して多くのアドバイスをしてくださった先輩方と中村先生に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

B4 金谷一輝

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