はじめに
こんにちは。中村研究室D1の中川です。ご覧いただきありがとうございます。
さて、2025年9月3, 4日に北海道科学大学で開催された第214回HCI研究会にて発表してきましたので、その報告をさせていただきます。この研究はEC2024で発表した研究の続きとなりますので、よろしければそちらもあわせてご覧ください。
研究概要
これまでの研究では、動物園や水族館でのペンギンの観察体験をより良いものにするため、ペンギンごとに異なる特徴的な腹部模様に着目し、その模様を描画することで個体を検索できるシステム「ペンさく」を提案してきました。実験から、ペンさくを用いた観察は個体の記憶や興味につながる可能性が示唆されていました。
一方で、過去の研究は大学生を対象とした小規模な実験にとどまっており、実際の水族館において一般来訪者が利用した場合に、どのような影響が生じるのかについては十分に検証できていませんでした。
そこで今回、ペンさくを水族館の一般来訪者向けに改良し、すべての個体を一覧で閲覧できる図鑑機能や、観察・描画した個体を記録できるアルバム機能を追加しました。改良したシステムを用いて、サンシャイン水族館にて実証実験を行いました。
約1週間にわたり一般来訪者にペンさくを利用してもらった結果、ペンギンの名前を使った会話の増加や、腹部模様の違いに注目した観察、展示前での滞在時間の増加などが確認されました。これらの結果から、ペンさくが来訪者の観察を「ただ眺める」ものから、「個体に注目する」より主体的で深い体験へと変える可能性が示されました。
今後は、検索精度やユーザインタフェースのさらなる改善に加え、長期的な運用や他の水族館での展開を通じて、来訪者の行動や個体への関心がどのように変化していくのかを検証していく予定です。
詳細については下のスライドや論文情報をご参照ください。
発表スライド
論文情報
おわりに
久々の学会発表でした。HCI研究会で北海道を訪れるのは2年ぶりだったのですが、毎日美味しいごはんをいただけて幸せでした。会場の北海道科学大学は広々とした素敵なキャンパスで、落ち着いた雰囲気の中で発表や議論に臨むことができました。
今回の発表では、水族館という実環境で一般来訪者を対象に実施した実証実験について報告しました。これまで実験室環境や大学生を対象として進めてきた研究から、やっとフィールドでの実験の第一歩を踏み出すことができ、嬉しく思っています。また第216回HCI研究会でも、後続研究についても発表する予定です。
最後になりますが、お忙しい中、研究全体を通してサポートをしてくださった中村先生、そして研究室の皆さんに感謝いたします。また、研究にご協力いただき、貴重なフィールドをお貸しくださったサンシャイン水族館の皆様にも、心より感謝申し上げます。






