第204回HCI研究会で「ペンギンの腹部模様に注目したぬりえ型検索手法」というタイトルで発表してきました(中川由貴)

      2023/12/28

はじめに

こんにちは!

今月2回目のM1中川です。

2023年8月8, 9日に北海道大学で開催された第204回HCI研究会にて発表してきましたので、その報告をさせていただきます。この研究は1月にHCI201で発表した研究5月にHCS研究会で発表した研究の続きとなりますので、よろしければそちらもご覧ください。

研究概要

みなさんはペンギンを観察するときそれぞれの個体に注目してみたり、名前を覚えたり、推しペンギンがいたりするでしょうか?ペンギンは多くの動物園や水族館で飼育されており、人気も高い生き物ですがただ漠然と観察しているだけではあまり記憶には残らないと思います。

そこで本研究では、ペンギンへの興味や記憶につながる観察支援として、ペンギンのお腹の模様をぬりえしながら観察し、さらにそのぬりえからペンギンの名前を検索する手法を考えました。これまでの研究で、ぬりえからペンギンの名前を推定することがある程度可能であることがわかったため、今回の研究ではペンギン19羽についてのぬりえデータセットを構築し、ぬりえによるペンギンの名前検索精度を詳細に評価しました。

具体的にはまず、ペンギンの腹部を9分割してぬりえをベクトル表現し、ベクトル同士の類似度をコサイン類似度とユークリッド距離を組み合わせて算出しました。続いて協力者26名を2グループに分けて、一方の平均をお手本データ、もう一方を比較データとして類似度から名前を推定し、その精度を評価しました。

ぬりえのベクトル表現

 

その結果、推定したペンギンの名前の正解率が上位3位以内で93.0%と、かなり高い精度で評価できていることがわかりました!

推定した名前ランキングの上位k位以内正解率

 

ただ、中には精度の低いペンギンがいたり、検索が記憶に与える効果を検証ができていなかったりとまだまだ改善点や調べることがあるので、今後はさらに研究を進めていく予定です。

詳細については下のスライドや論文情報をご参照ください。

 

発表スライド

論文情報

中川 由貴, 中村 聡史. ペンギンの腹部模様に注目したぬりえ型検索手法, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2023-HCI-204, No.2, pp.1-8, 2023.

おわりに

学会発表も回数を重ねてきて緊張の度合いが減ったようにも感じますが、まだまだ勉強することが多いです。研究会前日には北海道情報大のみなさんと合同研究会も行い、いろんなご意見をいただいたり交流したりと充実していました。

北海道を訪れたのは今回が初めてだったのですが、海鮮丼、ジンギスカン、ケーキ、ラーメンなどなど美味しいご飯をたくさん堪能できて幸せでした!空き時間にはAOAOに行ってペンギンを見てきました。

海鮮丼

運河

スープカレー

 

最後になりますが、たくさんのサポートをしていただいた中村先生、研究室のみなさんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

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