桑原 樹蘭 さん
学部3年生~修士2年生の4年間研究室に在籍し、表彰1件、国内会議発表5件(主著が4件)と、コロナ禍で大変ななか、4年間で十分な成果を残しました。
まず学部3年生の頃には注視するタイプのタスクにおいて、周辺視野に視覚刺激を提示することがどのような影響を与えるかについて研究に取り組んできました。ここでは、様々な視覚刺激を試し、ノイズになると思われた数字刺激が効果的で想定外の面白い結果でした。
また、学部4年生では、本人のついつい無意識にスマホを手にとって起動してしまっている問題に着目し、そのスマホを無意識に手に取って起動する瞬間をセンサから推定可能とするため、そもそもそうした無意識の振る舞いをどのようにして実験的に集めるかについて複数の実験で検討を行い、卒論を書きあげました。この研究の成果は、HCI研究会の学生奨励賞を受賞しました。
また修士では、学部3年生のときの研究にたち戻ってタスクに対する集中に関する研究に取り組み、ここではタスクの提示範囲を広げ、点つなぎタスクで検証を行うもの、また周辺視野領域に視覚刺激を提示したときに視線がどのように動いてしまうのかなどについて検証を行い、修士論文「タスク周辺への視覚刺激を用いたPC上タスクに対する集中度向上手法の研究」を書き上げました。
桑原さんは、本番に強いタイプで、直前までの練習ではあたふたしていたのに本番の発表はビシッと決めるなど、随分と驚かされました。また桑原さんが取り組んでいた集中に関する研究は、中村研の集中に関する共同研究の幅を広げるものとなりました。
4月からエンジニアとして働いてます。どこかで見かけましたら、是非ともお声がけいただきますとともに、ご支援をよろしくお願いいたします。
業績
- 表彰
- 国内発表
- 桑原樹蘭, 高橋 拓, 中村聡史: 一点注視型タスクにおける周辺視野への視覚刺激提示が集中度に及ぼす影響, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2018-HCI-180(13), 1-7 (2018-11-27), 2188-8760 (2018/12/05), 淡路島.
- 桑原 樹蘭, 中村 聡史. 無目的なスマートフォン起動タイミングの検出手法の検討, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2020-HCI-187, No.3, pp.1 – 7, 2020/06/01. 学生奨励賞
- 桑原 樹蘭, 南里 英幸, 中村 聡史. タスク周辺への視覚刺激を用いたPC上タスクに対する集中度向上手法の検討, 情報処理学会 ヒューマンコンピュータインタラクション研究会(HCI), Vol.2021-HCI-193, No.21, pp.1-7, 2021.
- 野中 滉介, 関口 祐豊, 小松原 達哉, 桑原 樹蘭, 中村 聡史. コミクエ: 新刊読書時に前巻までの流れを想起可能とするクイズ共有手法の提案, 第6回 コミック工学研究会, pp.63-68 (2021/11/21).
- 桑原 樹蘭, 中村 聡史. タスク周辺への視覚刺激提示時の刺激の種類がタスクおよび視線に及ぼす影響, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-197, No.16, pp.1-7, 2022.
- 学位論文
- 修士論文「タスク周辺への視覚刺激を用いたPC上タスクに対する集中度向上手法の研究」
- 卒業論文「スマートフォンの無意識な把持タイミング検知手法の提案」