第202回HCI研究会で「爪色の変化によるものの重さの推定に関する基礎検討」というタイトルで国士舘大学で発表してきました(松田さゆり)

投稿者: | 2023年3月20日

はじめに

こんにちは

今年は花粉に負けず絶対にお花見をすると決めている中村研究室B4の松田さゆりです.🌸🍙🍺

2023年3月13日〜15日 国士舘大学梅ヶ丘キャンパスで開催されたHCI(ヒューマンコンピュータインタランクション)研究会にて,「爪色の変化によるものの重さの推定に関する基礎検討」というタイトルで発表してきましたので,報告させていただきます.

研究概要

みなさんはお料理とかしますか?私は本気で調理師学校に行こうとしていたくらい料理が好きです.今もなぜ研究をしているのか不思議です.早く家に帰って料理したい.

そんな私でも,レシピを見ながら料理をする際,材料を計量をすることはちょっと面倒に感じてしまいがちです.お菓子作りの1g単位とか,手震えます.実際に私達が991人に実施したアンケートでは,65%の人が材料の計量を面倒と感じていました.面倒に感じたら目分量ではかろうとしてしまうのが人間ですが,あまり人間の目分量は正確ではないため,失敗のもとになってしまいます💧

そこで,本研究でははかり無しで計量をすることを目的としています.理想とするのは下みたいな感じで,カメラで勝手に重さを認識して教えてくれるというものです.

こんな未来が来たらいいなイメージ図

こんな未来が来たらいいなのイメージ図

ここで,はかり無しで計量をするスマホの振動をはかりたいものに伝えたり,筋電位を利用したりといったように研究はさまざまあります.これらはどれも道具を必要とするのですが,本研究では道具を使わない手法として,爪色の変化を利用しようと考えました!

具体的には,重いものを持っているときほど爪の白い部分が増える,さらに赤い部分はより赤くなり,色変化が大きくなる.持っている重さによって爪色が変化するため,重さを推定できると仮説をたて,研究を進めていきました.

しかし爪の色はそもそも個人によって色が異なる上に,照明や容器の形,持ち方によって変化してしまいやすいため,条件の統制が必要でした.そこでもっとも良い爪画像を撮影するために,ペットボトルの持ち方や,爪領域を抽出する方法などの検討を行いました.

予備検討

そして実際にペットボトルをたくさん用意して,爪の色を撮影させてもらう実験を行いました.

各重さ5枚ずつ爪画像を撮影

その結果,持っているものが重くなるほど,RGB色空間のG,Bが高い値を示すことがわかりました.

凡例順に,Gの値が並んでいる!

持っているものが重いほど,Gの値が高い

この色の値から実際に持っているものの重さを推定してみたところ,爪の色から持っているものの重さをある程度近く推定できることがわかりました.

また,何枚爪画像があったら正しく推定することができるのかを検証するために,追実験を行ったところ,20枚の画像があると,ある程度正しく推定することができることもわかりました.

追実験

20枚の爪画像があると,持っている重さをある程度正しく推定できる

今後はより正確に推定できるように,分析方法や,他の持ち方についても検証していきたいと考えています.

詳細については,スライドや論文をご参照ください.

発表スライド

論文情報

松田 さゆり, 中村 聡史. 爪色の変化によるものの重さの推定に関する基礎検討, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2023-HCI-202, No.45, pp.1-8, 2023.

感想

この研究は卒論のために新規開拓した研究で,本当に爪の色から重さなんて推定できるのか?これ大丈夫か??と先が思いやられたことがたくさんあったため,今こうして発表することができたことが,正直夢のようです.そして当日は他大学の先生方が色々と質問や提案をしてくださって,そんなに反応してくださるのか!と嬉しい気持ちになりました.

発表後一緒に参加した先輩後輩と,なんと!回らない!お寿司屋さんに!行きました!!🍣

中トロ

中トロうますぎ!!

最後にはなりますが,たくさん爪の写真を撮るという不思議な実験に付き合ってくださったり,発表練習をしてくれた研究室の皆様,そして何度も相談に乗ってくださった中村先生に心より感謝申し上げます.

ジェルネイル

日常生活で爪を見すぎた反動でセルフネイルにハマる

なんだかんだ爪研究も好きになってしまった松田です.これからも精進してまいります!!

第202回HCI研究会で「爪色の変化によるものの重さの推定に関する基礎検討」というタイトルで国士舘大学で発表してきました(松田さゆり)」への2件のフィードバック

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