はじめに
こんにちは、B4の青木です。
1月16、17日に石垣島で開催されたHCI201にて「視線に連動した記憶対象文字列への非流暢性制御による記憶容易性向上手法」というタイトルで発表をさせていただきましたのでその報告をさせていただきます。
研究概要
皆さんは学業を行う上で、暗記の難しさに頭を抱えた経験はありますか? 僕はよくあります。
覚えなければいけない事象の多さに対して覚えるための時間が足りない、などと思うことも多いと思います。
そこで、単語の表示方法を工夫することで単語の覚えやすさの向上を狙い、暗記の支援をしたいと考えました。
具体的には、あらかじめ覚えたい記憶対象にぼかしを与え、ぼかしが与えられた単語に視線を向けると段階的にそのぼかしが晴れていくといったような表示方法を提案しました。
本研究では提案手法の有用性を調査するため、提案手法を利用した場合と利用しなかった場合での記憶テストの得点の差を比較しました。
実験
実験としては特徴記憶実験を行い、
記憶タスクを提示してそれを90秒で覚えてもらう記憶フェーズ
待機時間に記憶維持に意識を向けさせないための忘却フェーズ
記憶をもとにテストに回答してもらう試験フェーズ
を1セットとし、これを4回行ってもらいました。
以下各フェーズの粗い解説↓
記憶フェーズ
記憶フェーズでは、記憶タスクを提示してそれを90秒で覚えてもらいます。
忘却フェーズ
忘却フェーズでは、待機時間に記憶維持に意識を向けさせないために、ジグソーパズルを行わせます。
試験フェーズ
試験フェーズでは、記憶をもとにテストに回答してもらいます。
1問10点の100点満点のテストとなります。
結果
結果としては、以下のグラフの通りです。
ぼかしありの平均が61.6点、ぼかしなしの平均が53.9点となりました。
このことから、提案手法を利用した場合、単語の覚えやすさが向上するということがわかります。
また今回、実験を行う際に視線の取得を行ったので、そちらの分析も行いました。
上の表は視線の単語に向けられていた視線の合計時間の平均を出したものです。
この表から、ぼかしありの際には、正解した単語に対する視線の合計時間が長かったことがわかります。
こちらの表は単語に対する固視回数の平均を出したものです。
固視回数の定義としては、本研究では「文字列に視線を向けているときの1フレーム後の視線の移動距離が10px以下だった回数」としました。
上の表からわかる通り、ぼかしありの際のほうが固視回数が増える傾向がありますが、正解/不正解における差はあまりありませんでした。
発表スライドと論文情報
発表スライド
論文情報
感想
二回目の学会発表でしたが、いつも通り緊張しました。
あと発表に同行した人数もかなり多かったので、何をするにしてもにぎやかで楽しかったです。
石垣島は自然が多く、海もきれいで散歩してて楽しかったです。いい感じの思い出もたくさんできました。
またみんなで旅行してゲームがしたいです。以上。
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