はじめに
発表内容
今回発表した内容は前回のものとは全く異なり,コミックについての研究になります.
この記事を読んでいるあなたは,漫画を読んでいるときに「あのページ読み返したいなぁ」っていうときありませんか?
しかし,読み返したいと思っても「あのページ何巻のどこにあるっけ?」みたいなハードルがあって難しいと思います.
読んでいる最中にinstagramのようにlikeを付けていくことができれば,それを利用することで読み返すときのハードルが下げる事ができるとは思います.ただ,面白いシーンを読んでいると漫画に集中してしまい,likeを忘れてしまうことがあるのではと思います.そこで,集中しているとlikeを忘れてしまうのかについて実験を行い,またそのlikeをし忘れているけど,likeかもというものを,ユーザのふるまいから推定してしまおうという研究になります.
具体的には,下記のように取り組みました.
- Instagramのようにlikeすることができるコミックビューワの作成
- そのコミックビューワを使って漫画を読んでもらう
- 読んでもらった際のデータを分析して,漫画を読んでいる最中に集中すると,likeを忘れてしまうのか?を検証
- 漫画を読んでいる最中の振る舞い(加速度・ジャイロ・滞在時間)を用いて,likeを忘れてしまったページを機械学習により推定
限られた人数での実験になりますが(これから人を増やしていく予定ですが),結果を簡単にまとめますと,
- like忘れは結構あるため,自動で推定することが重要
- ユーザの振る舞いを用いたlike忘れの精度は0.6ほどの正解率・適合率・再現率で,まだまだ十分とは言えない
- 推定においては,ユーザがページを読んでいる最中と読み終わる直前の動作を用いた手法が,精度が高かった.
ということがわかりました.今後,実験協力者の数を増やしつつ,またデータをたくさん撮ることによって,より良い手法を追い求めていく予定です.
より詳細な内容につきましては,以下の発表資料をご覧ください.
発表資料
https://dl.nkmr-lab.org/papers/121
感想
今回は卒論前の学会ということで,学会と卒論を両立させ無ければならず,スライド作成や発表練習を直前まで行っていてとても忙しかった印象でした.しかし,牧先輩や先生に手厚い支援をして頂いたおかげで,無事発表を終えることができました.
今回はじめてコミック工学の学会で発表させていただきましたが,聞いている方々が皆コミックに詳しく,大変鋭い質問をたくさんいただいたり,多くの新たな意見を提案してくださり,とても新鮮で面白い学会発表をすることができました.
私は学部で卒業するので,学生として最後の学会発表となりますが,これから様々なことに今回の経験を活かしていきたいと思います.
最後に,多方面から手厚く支援していただいた牧先輩・中村先生本当にありがとうございました.