過ごしやすかった秋が幻だったかのように寒くなってきて,またこの季節がやってきたのかと嬉しくなる上西です!
今回はM2の牧と12/12~14にわたって三重県伊勢市にて行われたHCGシンポジウム2018に参加してきましたので,その報告をさせていただきます.
詳しい説明に関しましては牧の発表記事と,私の発表記事のほうをご覧ください!
HCG2018では多くの発表テーマがあったのですが,今回はコミック工学についての発表しかみることができませんでした😭
その中で,特に面白かった研究について報告していきたいと思います.
気になった発表
上西が気になった研究
漫画の立体表示を目標としたコマ画像の奥行推定
前田 裕介・岩田 基・黄瀬 浩一(阪府大)
漫画を読む媒体が,紙のものからスマートフォンやタブレットのようなデジタル端末に移行しているように私は感じています.しかし,漫画の楽しみ方はほぼ紙のものと変わっていないため,デジタル端末ならではの新しい体験を創出することが重要だと考えています.そんな中,この研究では「漫画に奥行きを作って読むことができる」という新たな体験を作るための支援を行っていました.例えば漫画に奥行きを作ることができれば,その部分に物語の伏線をこそっと張ることができるように,新たな楽しみ方が増えると思います.
本研究では,自動で漫画の奥行きを推定するために,ディープラーニングを用いて試みていました.
この研究で面白いところは,漫画の奥行きデータセットは存在しないので,すでに存在している普通の写真と奥行きがセットになったデータセットを漫画風の絵にして,それを学習させたモデルを使用して実際の漫画の奥行き推定を行っている点だと思います.
このようなすでに存在しているデータセットを変換することで,自分が求めているデータセットを構築するという考えがとても面白く,自分も参考にしようと思います.
感想
HCG2018ではコミックに実務で携わっている人とも交流することができ,そのような視点で質問や提案を受けることができ,とても有意義な学会に参加できたと感じました.
また,コミック工学セッションの最後に,松下先生・山西先生・西原先生らの「コミック工学の現状と展望」を聞き,改めて研究の奥深さとコミック工学の面白さを感じることができました.