はじめに
こんにちは!中村研究室M2の小川剣二郎です!
2025年11月29日〜12月3日にオーストラリアのシドニーで開催されたOzCHI2025にて,「Reducing Perceived Waiting Time with Peripheral Visual Motion: Directional and Device-Specific Effects」というタイトルで発表してきましたので.その報告させていただきます.
内容は,私がB3の頃にしていた研究に,先輩方が取り組んできた研究をまとめ,英語化したものになります.
研究概要
背景
PCやスマートフォンを利用している際,様々な待機時間が生じます.こうした待機時間はユーザの体験の質を損ねてしまうため,短く感じさせることが重要です.一般的に,プログレスバーのような視覚的なフィードバックをする手法が用いられています.
ここで,私たちは周辺視野の特性に着目をしました.周辺視野では,無意識下で全体的な動きを把握することができます.そのため,プログレスバーと組み合わせることで,ユーザに意識させることなく体感時間を短縮可能なのではと考えました.
本研究では,プログレスバーの周辺に様々な視覚刺激を表示し,どのような視覚刺激がより体感時間の短縮に有効なのかを調査します.
どの視覚刺激が有効かの調査
最初に,どのような視覚刺激が有効なのか,また視覚刺激の向きによる違いはあるのかの調査を行いました.こちらは共著者である
視覚刺激としては何も表示しないものを含めて5種類用意し,PCに表示してその体感時間をスライドバーで回答してもらいました.
なお,参加者はYahoo!クラウドソーシングにて募集し,398人分の有効なデータを集めることができました.
その結果,点が左から動く刺激(slide_balls)が特に体感時間を短縮させることがわかりました.また,正弦波の刺激2種類を比較した際には,左から右に動く刺激(wave)は体感時間を短縮させ,逆に右から左に動く刺激(wave_reverse)は体感時間を延長させていました.このことから,プログレスバーと同じ方向に動く視覚刺激が,体感時間を短縮させる効果が高いと結論づけました.
デバイス間での違いに関する調査
次に,PCとスマートフォンで体感時間短縮効果に差があるのかを調査しました.こちらが,私が行った実験になります.
前回の実験の結果を踏まえ,視覚刺激には点が動く運動をベースに7種類用意しました.デバイスの画面がPCは横長,スマートフォンは縦長であるため,横向き,縦向き,回転運動を選択しました.
こちらでは対面で実験をし,30人のデータを集めました.
その結果,視覚刺激を表示しない際は,デバイス間での体感時間の差に違いはありませんでした.一方,視覚刺激を表示した際は,PCでは横向きの刺激が,スマートフォンでは縦向きの刺激がより体感時間を短縮させていました.
これらの結果から,デバイスの形に沿って視覚刺激のデザインをすることで,体感時間を効率的に短縮させることができると結論づけました.
発表スライド
論文情報
感想
初めての英語論文執筆,初めての海外,初めての英語での発表と,初めてばかりの旅でしたが,まずは無事終えれて良かったと思います.
学会では,練習の時以上に自信を持って発表ができました.B3の時に国内発表では緊張しすぎて噛み噛みでしたが,そこからの成長をすごく感じました.英語での質疑が心配ではありましたが,議長の方が質問(優しめでした)をしてくださり,なんとか回答できて一安心です.その後の議長はものすごくイケメンに見えましたね.
学会以外では,とにかく思い出が多すぎるので,特に印象深いものをピックアップして話します.
学会が始まる前の日に余裕があったので,シドニー近郊のブルーマウンテンズという世界遺産に行ってきました.何やらユーカリの木から出る成分が空気と反応すると青っぽくなるとか.とにかく景色が素晴らしかったです.写真スポットの崖があり,そこに座って写真も撮ってもらいました.アドレナリンドバドバで怖くなかったのですが,その下は本当に崖で落ちたら命はなかったので,2回目チャレンジした際は足がすくんで動けなかったです.


トラブルも色々起こしてしまいまして,初日は持ち歩きWi-FiもeSIMもどちらも繋がらなくWi-Fi難民になってしまい,最終日前日にはスマホを無くしかけました.本当に一緒に行ったメンバーにはご迷惑おかけしました感謝しかないです.
まあ色々ありましたが,全部ひっくるめてすごいいい経験になりました!大学院を卒業する前にこのような経験ができたことは貴重だなと感じます.残りの発表は国内が1回ですかね,ラスト発表も無事終えて気持ちよく卒業に向かっていきたいです.
改めて今回の論文執筆,学会発表を助けてくださった方々に感謝いっぱいです.ありがとうございました.
小川剣二郎


