HCII2023にて「A Study on the Effects of Intrinsic Motivation from Self-determination on Driving Skill」というタイトルでポスター発表してきました(中川由貴)

   

はじめに

こんにちは。中村研究室M1の中川です。

毎日猛暑が続いていますが、皆様お変わりありませんか?

さて、2023年7月25日〜28日にデンマークのコペンハーゲンで開催されたHCII2023にてポスター発表をしてきました。ここではその報告をさせていただきます。

ポスター会場の様子

今回発表した内容は,2022年の1月にHCI196で発表した研究内容を再整理して、分析を追加して英語化したものになりますので、よろしければそちらもあわせてご覧ください。

 

研究概要

人々が行動する際のモチベーションのひとつに「内発的動機づけ」というものがあります。

内発的動機づけは、誰かの指示や報酬目的など外的な要因ではなく、その人の内側から湧き起こる興味や関心、好奇心から生まれる動機づけのことです。内発的に動機づけられた行動は、豊かな経験やより良い問題解決につながること、またその効果が持続しやすいことが知られています。

私たちはこの内発的動機づけを初心者やペーパードライバの運転支援に利用することができないかと考えました。

内発的動機づけを形成する大きな要因の一つに「自己決定感(自分で決めて行動しているぞ!自発的に動いているぞ!という感覚)」があります。運転に対して自己決定感をつくりだすことで、運転に苦手意識を持つドライバのやる気を高め運転技能を高められるのではないかという仮説をたて、実験を行いました。

自己決定感を高める手法として、いくつかの運転技能をドライバに提示し、その中から気をつける技能自分で選択してもらったのちに運転してもらいました。気をつける技能をドライバ自身が選んだ場合(内発的動機づけ)と、他人から指示された場合(外発的動機づけ)とで実際の運転技能に差がでるのかを調査しました。

実験の結果、どの技能においても内発的動機づけと外発的動機づけで有意差はありませんでしたが、「不必要なハンドルの切り足しや戻しをしない」という技能について内発的動機づけの方が成績が良い傾向がみられました。

「ハンドルを切り足し・戻しした回数」の内発と外発の比較

今後は提示する技能の再検討をして、実車での検証や内発的動機づけが適切に誘発されていたかどうかの検証をして研究をさらに進めていきたいと考えています。

 

発表ポスター

 

論文情報

Yuki Nakagawa, Sayuri Matsuda, Takumi Takaku, Satoshi Nakamura, Takanori Komatsu, Takeshi Torii, Ryuichi Sumikawa, Hideyuki Takao. A Study on the Effects of Intrinsic Motivation from Self-determination on Driving Skill, International Conference on Human-Computer Interaction (HCII 2023), Vol.CCIS, volume 1836, pp.73–81, 2023.

 

おわりに

国際学会で発表するのは今回が初めてで練習のときからとても緊張していました。また慣れないポスター形式の発表で難しいことも多くありましたが、なんとか当日発表を終えることができました。学会の雰囲気もとても良く、学びになることばかりでした。機会があればまた国際学会でレベルアップした発表をできるといいなと思います。

コペンハーゲンはとても綺麗な街で、夏でも涼しい気候で過ごしやすかったです。おしゃれな犬がたくさん散歩していて見ているだけで幸せでした。学会の合間にいくつか観光地を周りましたが、どこも新鮮で本当に楽しかったです。

ニューハウン

フレデリスクボー城

ごはんも美味しかったです

 

最後になりますが、お忙しい中たくさんのサポートをしていただいたSUBARUの方々や中村先生、研究室のみなさんに心から感謝いたします。

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