はじめに
こんにちは、中村研究室B3の杉本です。(4月から無事B4に進級しました。)
新型コロナウイルスが益々猛威を振るい、私の大好きなチアが通常通りにできなくなってはや3ヶ月が経ちました。楽しみにしていた最後の1年間がどんどん短くなっていくのを、心が削られる思いで過ごしています。
さて、大変遅くなりましたが、2020年3月16日にオンラインで開催された第187回HCI研究会にて、「ポップアウトによるサイネージ型自動販売機の商品購入行動変容」というタイトルで発表しましたので、そちらの発表報告をさせていただきます。
発表の際の写真がないので、私も購入したヘッドセットを紹介したいと思います。こちらは安くて使いやすく、音質も困りません!笑
研究概要
日常生活の中では、レストランでのメニューの選択やお土産の選択、飲み物の選択など些細な選択をたくさんしています。そこでの問題点として、特にこれというものがなく悩んでしまう人で時間が取られてしまったり、一部の人気の商品ばかりが選ばれてしまって他のものが選ばれないということが挙げられます。
そこで、我々はポップアウトというひとの視覚的特性にまず着目し、ポップアウトを利用したときにひとの選択行動がどのように変化するかを明らかにするため、ランダムに商品をポップアウトするサイネージ型の自動販売機を実現し、明治大学のキャンパス内で運用してきました。また、これまでの結果から、ポップアウトを提示することで選択時間が短くなることや、幅広い選択を促せることを明らかにしてきました。
しかし、半年間というデータであり見ることのできていない期間があることや、購入状況別に検証するといった詳細な分析は行なっていませんでした。
そこで、本研究では、これまでの実験をさらに長期的に実施し、約6000件の販売情報からポップアウトの影響について様々な調査を行いました。
具体的には、
- これまでの結果と今回の結果
- 慣れによる影響
- 気温による影響
- 商品位置による影響
の4つの軸に分けて調査を行いました。
結果、
- 長期間で見ても、ポップアウトされた商品は選択されやすい
- 慣れていない人にポップアウトをすると効果が高い
- 暑い日、寒い日にポップアウトをするとよりポップアウトにつられて購入してしまう傾向がある
- 上段・右側にポップアウトをすると効果が高い
ことがわかりました。
このことから、ポップアウトによる購入行動変容の新たな可能性が本研究を通して見えたので、ポップアウトの仕方について新しい手法を試みたいと思います。また、今後もサイネージ型自動販売機の商品の購入行動変容の可能性について、調査していきたいと考えています。
スライド
こちらが発表で使用したスライドです。詳しい研究内容はこちらをご覧ください。
論文情報
感想
このような状況の中、オンライン発表の場を設けて頂いた運営の方々にこの場を借りて感謝申し上げます。
オンライン発表はもちろん初めてで、ヘッドセットを使って話をしたのも今回が初めてだったので、貴重な機会であり、話している間の聞いてくださっている方々の反応がわかりづらいというのも勉強になりました。今後コロナの影響が続くと、こういった形でのプレゼンの場も増えるのかなと思いました。
最後になりますが、今回も期日ギリギリを攻めて中村先生、先輩方には大変ご迷惑をお掛けしました。原稿や発表練習等、見捨てずに最後までサポートしていただき、感謝しています。ありがとうございました。
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