(個人的に)怒涛の夏が過ぎ去り(個人的に)さらに怒涛の秋に差し掛かろうという今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。M2の徳久弘樹です。
少し遅くなってしまいましたが、今回は2019年7月22日&23日に開催された第184回ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会にB3の横山と二宮、M1の又吉とM2の山浦と徳久で参加してきましたので、その参加報告記事となります。自分はB3の横山の論文の共著者として参加させていただきました。その発表報告は別途こちらからご覧いただけます。
本記事では研究会の中で発表されたもので自分が気になった研究の紹介及び夏の北海道の感想を書かせていただきます。
気になった研究
ストレス値の共有が認知症患者の家族介護者の精神的負荷に及ぼす影響を調査するシステムの提案
酒井友裕(筑波大学), 葛岡英明(東京大学), 山下直美(日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所)
認知症患者の家族介護者が抱くストレスのマネジメントをサポートし、その負担を少しでも減らすシステムの開発を目的とした研究です。
言うまでもなく高齢化社会を突き進む日本ですが、認知症患者も増加傾向にあり、介護者の負担もそれに比例して増えていくことが考えられます。こちらの研究では、介護者が抱くストレスの要因が自身のストレスを適切にマネジメントできていないことであるとし、ウェブアプリケーションやスマートバンドや用いて自身や他者のストレス状況を可視化し、介護者自身に自らのストレス状況を把握させやすくするシステムの開発と評価実験を行っています。
介護者が抱えるストレス問題は本当に深刻で、介護者の方が先に参ってしまうといった話を聞くことも少なくありません。介護者が増えていくこの社会において本当に重要な研究になると思います。今後の発展にも注目していきたいです。
いじめ仲裁を促進する発話者を装うチャットボット
植田智之, 中西惇也(大阪大学), 倉本到(福知山公立大学), 馬場惇(株式会社サイバーエージェント), 吉川雄一郎, 小川浩平, 石黒浩(大阪大学)
チャットグループ内で起こるいじめ問題に対し、チャット参加者の1人を装ったチャットボットに仲裁発言を代替させ、他の傍観者にいじめの仲裁を促すことを検討した研究です。
昨今大きな社会問題となっていいるいじめですが、インターネット内のチャット等では特に増加傾向にあるようです。そういったチャット内で起こりうるいじめ問題の特徴として、一定の人間関係内で起こるため第三者の介入による発見や仲裁が難しいことがあげられます。そのため、チャット内にいる人間による解決策が求められます。そこでこちらの研究では、そのチャット内にいる「いじめる側」でも「いじめられる側」でもないいわゆる「傍観者」に着目し、チャットボットを使うことで、その「傍観者」を「仲裁者」に変えることでいじめの縮退を狙っています。
自分自身インターネットを使うようになり十年弱、さまざまなコミュニティでいじめが横行しているのを目撃してきました。そういったとき、「傍観者」である自分が常に抱いていた「いじめを止めたい気持ちはあるが自分がいじめの対象になるのは避けたい」という気持ちをチャットボットを使うことで、そういったリスクを避けながら押し出すことができるため、非常に有用な解決策だと思いました。
感想
今回の研究会で横山が発表した研究は昨年の6月の第178回HCI研究会で自分が発表したものの続きになります。横山は中村研に配属されてたった3か月という短い期間での発表となりましたが、授業もそこそこガッツリある中で実験と論文執筆をよく頑張ってくれたと思います。決して自分が北海道に行きたくて急かしたわけではないです。会場はクーラーではなく窓からの風で涼んでいたのですが非常に気持ちよかったです。
ご褒美として空き時間には夏の北海道の雄大な大地とグルメを満喫してきました。やはり夏の北海道は涼しくて運転もしやすくて最高です。
北海道旧日本庁舎。いい天気でした。
北海道大学公式の憩いの場。
メロンバカ盛り
自分も進捗出してまた発表でいろんなところに行けるように頑張ります。