HCGシンポジウム2024で「手書き文字練習における筆圧に応じたフィードバック手法の比較検証:音提示と色提示の比較」というタイトルで発表してきました(會田萌々花)

投稿者: | 2025年2月9日

はじめに

はじめまして。中村研究室B3の會田萌々花です。

2024年12月11日から12月13日に金沢歌劇座(石川県金沢市)で開催されたHCGシンポジウム2024にて研究発表を行いましたので、ご報告させていただきます。

研究概要

先行研究

私たちはこれまで「メロ字ィ」という音階を用いて文字練習を支援するシステムを提案してきました。先行研究として「メロ字ィ:ペンの位置に応じた音階の音提示による手書き文字練習システムの提案」と「メロ字ィ:手書き練習におけるお手本と手書きのずれを考慮したメロディ提示手法」があります。
先行研究では、メロ字ィを使用することで使用しない場合に比べて練習回数が増加することや文字練習を丁寧に行うようになることが明らかになりました。

システム

今回は筆圧に意識を促す文字練習支援を目的として、これまでのシステムに筆圧に応じたフィードバックを追加しました。フィードバックの方法として、筆圧に応じてメロディ数音量が変化する音提示手法と、筆圧に応じて文字の表示色が変化する色提示手法を提案しました。

こちらから実際に体験していただけます。

実験

実験では、文字練習を行ってもらいました。その際、実験協力者の筆記時の癖が結果に影響を及ぼさないように日本人にとって馴染みのない文字として梵字を使用しました。
実験の流れとしては文字練習を行った後に筆圧の記憶に関するテストを実施しました。
練習では音提示群、色提示群に分かれて筆圧の強弱について記載されたお手本を見ながら文字練習を行ってもらいました。その後、筆圧の記憶に関するテストを行い、音提示手法と色提示手法について比較しました。

結果と考察

音提示手法、色提示手法ともに提示した筆圧のお手本に類似した筆圧分布になりました。このことから、提案手法が筆圧を意識した文字練習に効果的であったのではないかと考えられます。

テストについて、筆圧のお手本で示した筆圧で注意すべき19箇所について正誤を採点した結果、適合率、再現率、F値いずれも音提示手法の方が色提示手法よりも優れた値を示しました。このことから、音提示手法の方が記憶に残りやすいのではないかと考えられます。

より詳しい情報に関しては下のスライドをご参照ください。

スライド

論文情報

會田 萌々花, 鳩貝 怜央, 松田 さゆり, 渡邉 健斗, 中村 聡史, 掛 晃幸. 手書き文字練習における筆圧に応じたフィードバック手法の比較検証:音提示と色提示の比較, HCGシンポジウム2024, No.A-3-1, 2024.

おわりに

今回が初めての学会発表でしたが、たくさんの方のサポートのおかげで無事に終えることができました。インタラクティブセッションでは色々な方と意見を交わすことができてとても良い経験になりました。また、石川県は美味しい食べ物がたくさんあり、自然が豊かでとても充実した時間でした。

最後になりますが、実験準備から論文のチェック、発表練習などで支えてくださった先輩方、中村先生に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

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