はじめに
2025年初記事の萩原です。
このテーマ3回目の発表をしてきたので、ご紹介させていただきます。
今回は、2025年1月23〜24日に奄美大島で開催されたCN研にて「スポーツ記者の試合の振り返りを容易化するフラグ付与手法の取材現場における実践的検証」というタイトルで発表させていただきました。
前回、前々回の研究の続きとなっておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
研究概要
背景
3回目の背景説明なのでサクッといきますね!
みなさんは下のような取材を聞いてどう感じますか?
「試合を振り返っていかがでしたか?」
「今日の調子はどうでしたか?」
「勝因は何ですか?」
「今後に向けて意気込みを教えてください」
浅って思いましたかね…?
こういう曖昧な質問というのは、選手も回答しづらいものです。
そこで私は以下のような質問を考えられることを本研究の大目的としています。
「ラストのところで相手陣地に入って積極的にポイントを狙っているように見えたのですが、意識していましたか?」
「1点目は相手選手の動きを見たうえで、相手選手の〇〇を狙った得点でしたか?」
このように試合全体の中から特定のシーンを取り上げる質問や、選手のプレーに対する記者の解釈が含まれる質問を理想としています!
試合やプレーを深掘りする質問をすることで、選手からいい回答を得ることができて良さそうだと思いませんか?
そこで、私たちはこれまでに試合を深掘りする質問を考えるため、試合の振り返りを容易化するシステムを提案してきました!(詳細はこちらでお話ししてるので割愛させていただきます)
簡単に言うとプレーに関する時系列情報を提示し、フラグを活用して試合を振り返るというものです。ここでいうフラグは、記者が試合中にあとで振り返りたいと感じたシーンで入力を行ってもらうことで取得します。
これまでの研究ではPC上で実験を行っていたのですが、本来の記者としての業務も行いながらフラグ付与可能なの?という疑問が残っていました。
そこで本研究では「業務を行いながらでもフラグ付与可能なシステムの実装・検証」を目的として実験を行いました!
⌚️フラグ付与システム
まずはフラグ付与システムについてお話しします。
前提として、スポーツ記者は試合中とても忙しいです。特にネックとなるのは写真撮影で、常に望遠レンズを装着した一眼レフカメラを持ち歩いているので、手が塞がっていてPCではとてもフラグ付与できません…
そこで、我々は手首に装着するだけで良いスマートウォッチに着目しました!

システムのフラグ付与画面
Apple Watch用のアプリを実装し、シングルタップでフラグを記録できるようにしました。
フラグ付与実験
スポーツ記者経験のある2名を対象として、フラグ付与システムを用いたフラグ付与実験を行いました。
今回使用した試合は、団体戦6試合と個人戦7試合でした。(いつもよりたくさんできました…)
いつもお世話になっている明治大学フェンシング部女子エペの選手の試合を観戦させていただきました!やっぱり強かったです〜〜✨
実験の結果、全部で71個のフラグが付与され、写真撮影などの記者としての業務を妨げることなくフラグ付与が可能となりました㊗️
論文や発表スライド内では、実際にどのようなシーンにフラグが付与されたのか、ラウンドごとのフラグ付与傾向、点差とフラグ数の関係などなど分析・議論しているので、気になる方はぜひ読んでみてください!
発表スライドと書誌情報
おわりに
もうすでに研究室内でのノルマは達成していたのですが、奄美大島に行ってみたい!という思いから投稿を決意したCN研。到着した日に少し余裕があったので、海と飯を存分に楽しんできました!
飛行機で奄美に着いて1時間後にシュノーケリングというハードスケジュールでしたが、それに付き合ってくれた空とまーくんに感謝ですね〜〜ちゃんとウミガメに会えてかわいかったです!
あと星もめちゃ綺麗でした!今度はカメラ持っていきたいな〜
全然関係ないですが、個人的な理由で鹿児島県好きなので、春か夏に与論島に行こうと思ってます^ ^

シュノーケリングいってきますの顔

アオウミガメ
発表の方はといいますと、もう4回目の発表ともなれば緊張はゼロでした。めっちゃ噛みましたが。
会場の方がリアクションよく発表を聞いてくださって緊張せず発表できたし、質疑もたくさんいただいてうれしかったです!
そしてCN研究会優秀発表賞もいただくことができ、本当に光栄です!これからも研究がんばろうと思います。
最後になりますが、添削してくださった中村先生、学会を開催してくださった方々、一緒に行ったまーくん空、実験協力してくれた後輩、いろいろ力になってくれた皆さん、ありがとうございました!
[萩原亜依]