はじめに
こんにちは!中村研究室M2の横山幸大です。
2022年8月22日~23日に小樽で開催された第199回HCI研究会にて研究発表を行いましたので、ご報告させていただきます。
今回発表した研究のテーマは「待機画面におけるプログレスバーの長さが選択に及ぼす影響の調査」というものでHCI191、HCI196で発表したものの続きになります。
研究概要
みなさん、ネットサーフィンをしているときに読み込みなどで待たされる時ってありますよね?
その待ち時間を短く感じさせたり、不快感を減らしたりするために、最近では多くのウェブサイトでプログレスバーというものが用いられています。
プログレスバーは、今何が行われているかや、あとどのくらいで完了するかなどをユーザに視覚的にフィードバックするものであり、そのデザインが待機中のユーザに時間短縮などさまざまな影響を及ぼすことが知られています。しかし、フィードバックするときにアニメーションが使われるためユーザの視線を誘導することが考えられます。
ここで我々は、プログレスバーがユーザの視線を誘導するのであれば、その後のユーザの選択行動にも誘導が起きてしまうのではないかと考えました。
そして、これまでの研究で我々は、プログレスバーの表示位置、アニメーションの向き、アニメーションの最終位置が待機後の選択行動に及ぼす影響について調査してきました。
その結果、プログレスバーを下側に配置したり右向きにアニメーションさせた場合で選択が中央に偏る傾向や、アニメーションの後半から視線が中央に向き始めるが明らかになりました。しかし、長さをウインドウサイズの横幅と同等のものに限定していたため、長さによる影響はまだ明らかになっていませんでした。
そのため本研究では、プログレスバーの長さが短くなると視線が一点に集中し表示されている領域(画面中央)付近の選択肢が選ばれやすくなるという仮説をたて、プログレスバーの長さが待機後の選択行動に及ぼす影響について調査しました。
その結果、以下のような傾向が明らかになりました。
- プログレスバーの長さによらず選択が中央に偏る傾向
- プログレスバーの長さが長くなると待機後のユーザの視線が分散する傾向
- 待機時間が長くなる場合にプログレスバーを短くすることで選択の偏りをなくすことができる傾向
今後は
- プログレスバーの色を誘目性の高い色に変えた場合の調査
- 他の種類(スロバー、スケルトンスクリーンなど)や他の形状(円型など)の場合の調査
を検討していく予定です。
発表スライドと論文情報
発表スライド
論文情報
感想
B3以来となる対面の発表でとても緊張しましたが、同期のみんなや後輩と発表練習を重ねたことが自信となって乗り越えることができました。
久々の出張も、小樽でOBに再会したり、おいしいご飯をみんなでたべたり、楽しめました。