DEIM2020で「平均化による崩れ文字可読化のための補正文字選定手法」というタイトルでオンライン発表しました(二宮洸太)

投稿者: | 2020年3月6日

新型コロナウィルスに日本中がビクビクしてますが,いかがお過ごしでしょうか.

新型コロナウィルスに関係なく冬はマスク派なのですが,お気に入りのマスクが買えなくて困ってます.B3の二宮です.

2020年3月2日から4日に行われ,新型コロナウィルスの影響でオンライン開催として行われた,第12回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2020)で発表させて頂きました.その報告です.

 

研究内容

本研究は例えば立った状態でひとの話を聞きながらメモをとるなど,ついつい読めないような崩れた手書き文字になってしまうものを,平均手書き文字の方法を使うことで可読化するものです.今回の発表はHCI184で発表した内容の続きとなっています.合わせてご覧ください.

HCI184では崩れた手書き文字のデータセットを構築し,崩れた手書き文字に対して平均化手法を用いると,可読化できることを示しました.しかし,下の図のように可読化できない事例もありました.

そこで本研究では,平均化の融合相手として適切な文字を選ぶ手法として補正文字選定手法を提案しました.これは文字の崩れを指標化することで,文字の崩れを定量化し,その文字の崩れを補正できる文字を選定する手法です.具体的には文字の可読化事例をもとに,文字のつぶれを表す縦横比と,文字の密集を表す密集度の2つの指標を定義しました.それぞれの指標において,可読化対象の文字の指標値を計算し,事前に定義した理想値に対して対称の指標値を持つ文字を補正文字として選定する補正文字選定手法を提案しました.また評価実験によって,本手法の有効性を示しました.

 

また,今回指標を用いて文字の崩れ方の分析を行いました.その結果をヒートマップで表したものが下図となります.

縦軸がユーザ,横軸が文字となっています.色が濃いほど値が高く,薄いほど値が低いです.文字ごと正規化を行っていますが,横に方向に傾向が見られ,ユーザごとの傾向があることがわかります.

本研究をまとめますと

  • 文字の崩れ方を指標によって表した
  • 文字の崩れを補正する文字を選ぶ補正文字選定手法を提案した
  • 文字の崩れ方にユーザごとの傾向があることがわかった

となります.

今後は手書き文字可読化アプリケーションの実装と文字の崩れ方のさらなる分析を行なっていきたいと考えています.

論文とスライドを下記に記載します.

論文とスライド

二宮 洸太, 又吉 康綱, 中村 聡史, 鈴木 正明, 掛 晃幸, 石丸 築. 平均化による崩れ文字可読化のための補正文字選定手法, 第12回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2020), Issue.A2-3, No.1-8, 2020.

 

 

感想

今回2回目の学会発表にして,初のオンライン発表となりました.

事前に接続テストや練習用のチャンネルもあり,とても発表しやすい場が設けられていました.当日もスムーズに発表することができました.対面でなく,ひたすら画面に向かって話すため,心理的には変な気分でした.発表は画像のような環境でやりました.真ん中のメインディスプレイは配信ソフトウェアUIと発表者ツールを表示し,左側のサブディスプレイにスライドを映し,その画面をキャプチャし配信することで,登壇発表時の環境に近くなるようにしました.また,配信者からはどのように映ってるかが確認できなかったため,iPadから配信チャンネルに参加することで,聴講者からの見え方を確認しました.発表時はマイク付きイヤホンを使用したため,いつもと自分の声の聞こえ方が違い,違和感がありました.

また,オンラインだと同じ時間帯でもチャンネルを切り替えるだけで別の発表が聞け,現実ではできないような聴講方法ができ面白かったです.いろんな発表を聞いたのですが,研究室から配信してる方から自宅から配信していると見受けられる方まで様々でした.DEIMでは企業の方の技術報告もあり,実際の研究結果がどのように使われているか,またそのサービスの裏側を知ることができて興味深かったです.

本当に運営委員会や座長の先生方ありがとうございました.

さらに本発表にてオンラインプレゼンテーション賞を頂くことができました.ご指導頂いた先生方,研究室の皆さまありがとうございました.

DEIM2020で「平均化による崩れ文字可読化のための補正文字選定手法」というタイトルでオンライン発表しました(二宮洸太)」への2件のフィードバック

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  2. ピンバック: 第130回MUS研究会で「配信ライブの同時視聴におけるヘッドバンギング同期のための動作推定手法」というタイトルでオンライン発表しました(二宮洸太) | 中村聡史研究室

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