こんにちは、M2の山浦です
今年の夏は涼しくて過ごしやすいですね、うっかり風邪を引かないように服装には注意しましょう。
さて、2019年7月22〜23日と北海道大学にて開催された第184回情報処理学会ヒューマンインタラクション研究会(SIGHCI184)に参加し、研究発表をしてきましたのでその報告をさせていただきます。
あらまし
皆さんは仕事や課題などの作業をしようとした際、なんだか集中できずに散漫になってしまった経験はありませんか? それを解決するための方法としては、タスクを25分間続けた後に5分間の休憩をするというサイクルを繰り返す「ポモドーロ法」というものや、作業用BGMを流してやる気を高めるといったものがあります。ですが、自身の意思に大きく依存していたり、そもそも効果が確かではないといったことが問題として挙げられ、集中するための方法は確立されていません。
ところで、私たちは過去の研究において、動画やビデオゲームなどのデジタルコンテンツに対してぼかしエフェクトというものを重畳することで、コンテンツに対して集中できるようになるということを明らかにしてきました。このことから、ぼかしエフェクトを課題などの作業に対して適用することで、同様に集中できるようになるのではないかということが期待されます。本研究は、ぼかしエフェクトが日常的な作業を想定した課題に対して、どう影響するかを調査するというものになります。
研究内容
ここではぼかしエフェクトが日常的な作業を想定した課題に対して及ぼす影響について説明させていただきます。先ほど説明しました、動画やビデオゲームに対してぼかしエフェクトを重畳した際の具体的な内容につきましては「SIGHCI169で「視線に追随したエフェクトによるデジタルコンテンツの体験拡張手法の提案」の発表をしてきました。(山浦祐明)」と、それを英語訳して発展させた内容についてのこちらの記事「HCII2018にて「Image Blurring Method for Enhancing Digital Content Viewing Experience」というタイトルで登壇発表を行いました(山浦祐明)」、また「SIGHCI182にて「視線に追随するぼかしエフェクトがビデオゲームの体験に及ぼす影響の調査」というタイトルで登壇発表を行いました(山浦祐明)」の3記事をご覧ください。
今回の研究では
- タイピング課題
- 文章理解課題
- 集中持続課題
の3つの日常的な作業を想定した課題に対して、ぼかしエフェクトが及ぼす影響について調査しました。実験に用いたシステムですが、用意した2台の端末の一方を映像視聴用、その映像をカメラ映像としてもう一方の端末に転送し、その映像に対して視線を取得しながらGLSLを利用してエフェクトを付与するというものになっています。システムの詳細については、下記の発表原稿のリンクより閲覧できますので、そちらをご覧ください。
システムイメージ図
システムを用いて、3課題に対してぼかしエフェクトを重畳し実験を行ったところ、ぼかしエフェクトは
- 見やすさや心地よさといった生理的印象を低下させる
- 作業に対して集中しやすくなる
- タイピング課題以外のパフォーマンスを向上させるが、タイピング課題には影響を及ぼさない
といったことが明らかになりました。
今後は、課題に取り組んでいる際の視線の動きを分析し、生理的印象や作業パフォーマンスへの影響をより詳しく調査する予定です。また、実験協力者のフィードバックより、課題に取り組んでいる際ぼかしエフェクトによってちらつく情報(ブラウザに表示される拡張機能のアイコンなど)が気にならなくなったというコメントが得られました。このことから、作業を妨害するような情報を遮断できる可能性がぼかしエフェクトにはあると考えられますので、実験により明らかにする予定です。
発表原稿
発表スライド
感想
発表についてですが、少し誤解を招くような説明をしてしまったのが反省点でした。ですが今までよりも、発表の資料や論文を作成するペースが上がってきていると実感しているので、作業をうまく処理する力がついてきている気がします。これが社会人になっても使えると良いのですが…
ところで、今回の発表場所は北海道でした。いや〜いいですね北海道、しかも夏なので涼しくて非常に快適でした。ご飯は美味しいし、自然は美しいなど文句がありません。北海道には夏しか来たことがないのですが、冬よりも交通機関がマヒらないのも嬉しいですね。
以下は食べたご飯の写真です、食べ過ぎまして明らかに太りました。また運動しないといけませんね…
「名代にぎりめし」のおむすび、おむすびの概念が変わるくらい美味しいので是非
「根室はなまる」のお寿司、うまい!!!!
「すみれ」の味噌ラーメン、食わずにはいられませんでした