第124回CN研究会にて「星空観察における視力の差が会話に与える影響に関する調査:仮想環境での実験」というタイトルの研究を発表しました(飯田空)

投稿者: | 2025年4月2日

はじめに

お久しぶりです!中村研究室4年の飯田です.

人生2回目の学会参加として,2024年1月23日から開催されたCN124@奄美大島にて「星空観察における視力の差が会話に与える影響に関する調査:仮想環境での実験」というタイトルの論文を発表してきました!
今回はこの論文についてご紹介させていただきます.

 

研究概要

皆さんは星空を見ることが好きですか?私は好きです!冬の澄んだ夜空をふと見上げて星がたくさん見えるとなんだか心が浄化されますよね.
去年5月の研究室の合宿地が秩父の山奥だったのですが,みんなで星空観察できてめちゃ楽しかったです!ISSも見えました!

背景

複数人での星空観察は,見えている星や星座についての知識の共有やそれらの会話を楽しめる有意義なものです.こういった会話の中で,自分が説明したい星や星座の位置や形をうまく相手に伝えられれないことがあります.

そこで私は,うまく伝えることができない原因として,話している人同士で視力の差による星空自体の見え方の違いや,星座の形や星の位置を知っているかどうかの知識の差による説明の仕方の違いがあると考えています.この研究ではまず基礎調査として,視力の差に着目した調査を行います.

視力の差がある場合の星空観察では,星のぼやけ具合が異なることから,お互いに見ている星のズレが起こることがあり,これは相手の注視している星を確認できないため,本人達が見ている星のズレに気づくことは難しいです.より円滑な会話をするためには会話から見ている星のズレを補完するシステムが必要です.下の図はその支援システムのイメージ図です.将来的にこのようなシステムを実現したいと考えています.

 

目的

本研究の目的は視力の差が星空観察の会話にどのような影響を与えるのか調査し,システム実現のために,会話からズレが推定可能かどうかを調査することです.

 

実験

実際の野外環境で星空観察の会話実験をすることが難しいため,2人同じ星空について見え方が異なる環境を仮想環境で再現しました.見え方のイメージ図はこんな感じです!それぞれ異なる程度のブラー処理を行っています.(左:良い,真ん中:普通,右:悪い)
星空の見える仮想環境はUnityを用いて作成し,実験ではMetaQuest3を使いました.

 

実験をするにあたり以下の仮説をたてました.
視力差がある環境での会話の方が視力差がない環境に比べて
・会話の中の「え?」の数が増加する
・2人の参加者間での発話間隔が長くなる
・疲労度の主観アンケート結果が高くなる

実験では,実験協力者2人で星座を会話しながら認識を一致させるタスクを設けました.
1人は伝達役で,星座の位置と形を知っていて相手に説明する役割,
もう片方は理解役で伝達役の星座に関する説明を聞いて星座を特定する役割です.

結果

このグラフは視力差なし条件と視力差あり条件の観察者間同士で認識を合わせるまでの時間の結果となります.
視力差なし条件の平均所要時間は345秒であったのに対し,視力差あり条件の平均所要時間は465秒であることから,視力差あり条件の方が認識を一致させるまでにより多くの時間を要していることがわかります.

この表は視力差あり条件と視力差なし条件の各分析項目を表にしたものとなります.
条件全体における「え?」の数の項目は,視力差あり条件,視力差なし条件ごとの会話データ中の相手の言ったことにわからないという意味の「え?」の個数の結果となります.
答え合わせの結果の項目は,会話後に理解役に対して行った簡易テストの採点結果の条件ごとの平均点を表しています.採点基準は,「星座を構成する星をすべて識別できている」が1点,「星と星を結んだ線が元の星座の形とある程度一致している」が1点の合計2点満点です.

答え合わせの平均点は伝達役と理解役の認識がどれほど一致しているかを表すことができるため,この表から,認識のズレが大きいほど「え?」の数が多くなることがわかりました.
これより,「え?」が発生される発話の直前や前の発話特徴を明らかにすることでズレの推定が可能になると考えられます.

 

今後

今回は,視力の差に着目した会話実験を行いましたが,知識の差による星座の捉え方や説明の仕方の特徴についても調査をしていけたらなと思います.また,会話からズレを検出する手法が本当に実現可能かどうかなども考察していきたいです.

 

発表スライドと論文情報

飯田 空, 中村 聡史. 星空観察における視力の差が会話に与える影響に関する調査:仮想環境での実験, 情報処理学会 研究報告コラボレーションとネットワークサービス(CN), Vol.2025-CN-124, No.9, pp.1-8, 2025.

 

学会参加の感想

今回は約1年ぶりの学会発表でしたが,人前で発表することはゼミで慣れてるから大丈夫でしょ!と少し緩んだ感じで挑みました.

だかしかし,いざたくさんの研究者の前で発表するとなるとやはり緊張しますね,,マイクも両手で包み込むように持ってたと思います.普段そんな持ち方しないんですけどね...
質問への回答もぼろぼろで改善点がたくさんあるなと思いました.

ただ,私自身CN研究会は今回初めて発表しましたが,今後もぜひCN研究会への参加をしたいなと思いました!
学会1日目の夜に懇親会があったのですが,周りの方がとても気さくに話しかけてくださりとても良い時間でした!またご一緒させていただいた方とまたどこかでお会いできたら嬉しいです!

学会以外の空いた時間では,あいさんまーさんとシュノーケリングに水族館!,美味しい島料理と真っ暗での星空観察!とても楽しかったですね〜〜
まじ姉さん兄さん感謝です!

 

最後になりますが,論文の添削をしてくださった中村先生,あいさん,まーくん,りゅーとさん,畑中さん,松田さん,かいじ,実験に協力してくれた方々,ありがとうございました!

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  1. ピンバック: 中村研究室 2024年度の成果 – 中村聡史研究室

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