第188回SIGHCI研究会で「音の長さの変化によりドラム演奏のずれを認識および誘導させるメトロノームシステムの提案」というタイトルで発表してきました(細谷美月)

   

はじめに

こんにちは。散歩や買い物にも行かず、家にこもっていた結果、iPhoneのヘルスケアで確認できる1日の歩数の平均が、300歩という驚異的な数字でした、細谷です。ステイホーム週間は、画面の中で島生活を楽しみながら過ごしています。
みなさんはステイホームの今、いかがお過ごしでしょうか。

6/1-2に第188回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会がオンライン開催されましたので、その発表の報告をさせていただきます。

今回は、M1細谷美月が「音の長さの変化によりドラム演奏のずれを認識および誘導させるメトロノームシステムの提案」というタイトルで発表させていただきました。

研究概要

この研究の概要は、

バンド演奏において近年盛んである、同期演奏(あらかじめパソコンなどに、録音・打ち込みされた楽器や歌などの同期音源を再生しながら行う演奏)で、再生している音源とバンド演奏がずれてしまうトラブルを、ドラム演奏者が聴いているクリック音(メトロノームの音)の長さを変化することで解決する というものです。

この同期演奏で、同期音源と生楽器のバンド演奏のテンポがずれないように、バンドの指揮者であるドラム演奏者は、イヤホンから音源と同期したテンポのクリック音を聴きながら演奏します。また、ドラム以外の演奏者は、このドラムに合わせて演奏するため、同期音源とバンド演奏のテンポが同期します。

ここで、ドラム以外の演奏のテンポがずれてしまったり、音量が大きくなってしまうことで、ドラム演奏者が聴いているクリック音が聴こえづらくなり、ドラム演奏がクリック音からずれてしまうことで、演奏トラブルが起こってしまいます。

そこで、ずれてしまう原因は
”ドラム演奏者がクリック音をしっかり意識できていないから”
だと考え、

”ずれた際にクリック音の音の長さを変化させることで、クリック音を意識させ、正確なテンポに演奏を誘導する”
という手法を提案しました。

また、
速くずれている場合は 長い音
遅くずれている場合は 短い音 
にクリック音を変化すると正確なテンポに誘導しやすい
という仮説を立てました。

この提案手法について検証するために、ドラム演奏を自然にずらせるような実験をデザインしました。
具体的には、クリック音に合わせてドラムを叩く際に、ギターとベースの演奏音を一緒に聴いてもらい、そのテンポを遅く・早くにずらし、音量を上げることでドラム演奏を自然にずらすことに成功しました。

実験では4分間、ドラムを叩き続けてもらい、その中で

  • ①基準の長さの音
  • ②長い音
  • ③短い音

の3種類のクリック音について、
それぞれ速く・遅くずれた際に正確なテンポに誘導できるかについて調査しました。

 

その結果、

  • 遅くずれている場合、短い音に変化させると正確なテンポに誘導しやすい
  • 速くずれている場合、正確なテンポに誘導すること自体が難しい

という結果が得られました。

速くずれている場合にはまだまだ問題があることがわかったので、今後は、心理的時間と音に着目して、速くずれているときに正確なテンポに誘導する手法の再検討を行っていく予定です。

 

スライド

論文情報

細谷 美月, 佐々木 美香子, 小松 孝徳, 中村 聡史. 音の長さの変化によりドラム演奏のずれを認識および誘導させるメトロノームシステムの提案, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2020-HCI-187, No.14, pp.1-8, 2020.

 

感想

初のオンラインでの学会参加でしたが、参加者の方との議論や交流、発表中に聴衆の反応を確認することなど、現地開催で出来ていたことが出来なくなり、少し寂しい気持ちになりました。しかし、顔を出さずに発表することで、気持ちが少し楽になったというメリットもあります。今後、リモートと現地を選んでの参加が可能になるなど、学会の形も少しずつ変わっていくのかな?、とも思いました。

おわりに、今回、この研究・発表にあたって指導してくださった方々や主催者のみなさまに感謝申し上げます。大変な世の中ですが、これからも研究頑張っていこうと思います。ありがとうございました!

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