はじめに
B4の古賀壮です。
11/29~12/1の3日間にロイヤルホテル 八ヶ岳で行われたWISS2023に参加してきたので報告です。
一緒に参加した人の記事はこちら:
WISS2023にて「PP-Undo+: 筆圧を軸とした手書き編集手法」というタイトルで八ヶ岳でデモ発表をしてきました(関口祐豊)
気になった研究
ハンドリダイレクションを用いた広範囲のキャンバスへのVRドローイング体験
小川郡平(東北大),藤田和之(東北大),高嶋和毅(東北大),北村喜文(東北大)
ヘッドセットを付けた状態で現実世界の小さい板タブに字を書くと、仮想世界の大きな紙に字を書いているような感覚になるシステムのデモです。単純に拡大しているだけかと思ったらそうではなく、現実世界でも大きく手を動かせるように仮想世界の手の位置を違和感を感じさせない手法で補正してあげるといったものでした。実際に体験してみたのですが思っていた以上に使いやすく違和感もありませんでした。
VR環境におけるフリック入力を利用した低オクルージョンなQWERTYキーボードの実装
VR空間でqwertyキーボードを分割して領域ごとにフリック入力をするキーボードのデモです。VR空間でキーの小さいqwertyキーボードを使うのは難しいが、ABC順のフリック入力は使い慣れてないので使えないという個人的にストレスを感じていた課題を解決してくれるかもしれないシステムでした。
他にもAR/VR/スマートウォッチでの文字入力(本当にやりにくくて困っている)の方法を提案するデモがいくつかあったので紹介します。
- スマートウォッチの加速度センサを用いたThumb-to-fingerジェスチャ認識に基づく片手文字入力手法: 角田陸(筑波大),志築文太郎(筑波大)
- 親指と別の指をくっつけるというジェスチャをスマートウォッチの加速度センサのみを用いて検出することで文字入力をする研究です。慣れは必要そうだけど可能性を感じました。
- スマートウォッチの竜頭を用いた日本語入力手法の試作: 白根薫(筑波大),角田陸(筑波大),志築文太郎(筑波大)
- スマートウォッチの縁を縦横にスライドすることで五十音の行と列を選択し文字入力をする研究です。
- LensTouch: スマートグラスのレンズ面を使った入力手法: 川崎竜也(芝浦工大),真鍋宏幸(芝浦工大)
- スマートグラスのレンズ部分にタッチセンサをつけ、仮想的に表示したキーの位置を直接指でタッチすることで文字入力をする研究です。プロトタイプなのでタッチセンサの感度などの問題はありそうでしたが、そういう部分さえ解決できればかなり使いやすいのではとデモを体験して感じました。
プログラミング初学者の課題解決方針の立案能力を高める選択肢タップ式学習支援システム
岡大貴(神戸大),大西鮎美(神戸大),西田健志(神戸大),寺田努(神戸大),塚本昌彦(神戸大)
課題として出されたProcessing/p5.jsのプログラムをどう作るかという方針を選択肢の中から選ぶ学習支援システムです。選択肢を選んだら対応するコードと時間をその場で確認できるようになっていました。実際に文系向けのプログラミング入門講義で使われているらしく、専攻はしていないけどプログラミングを学びたい人にはちょうどよいのではと思いました。中村研のtyping.runの論文が引用されていたり自分の研究とも関連があったりで気になったので話を聞けてよかったです。
感想
デモ発表が多い学会なので、登壇発表を聞いてよく分からなかったところも実際に体験することで理解できたり、著者から直接話を聞きやすかったり、研究内容もシステムを作る系の物が多いので興味を持てるものが多かったりと発表自体を聞くのが楽しい学会でした。発表希望者が多すぎて枠が埋まってしまい発表できなかったのは残念でしたが参加できてよかったです。(おすすめ学会なので研究室の人々ぜひぜひ来年こそは)
参加者も研究室に所属している学生だけでなく、高校生が発表していたり、研究活動をするサークル(!?!?)のB2・B3が発表していたりと色々いるもんなんですね〜。
最後にホテル屋上で撮った星空の写真を載せておきます。スマホを4分間くらい地面に放置して撮ったのですがめっちゃ寒かったです…。屋上に望遠鏡がいくつかあり、木星や月面も見ることができました。