OzCHI2025にて「Can We Prevent “Text Neck” Using Only a Smartphone? Real-Time Neck Angle Estimation and a Serious Game as a Case Study」というタイトルで発表してきました(渡邉健斗)

投稿者: | 2026年3月5日

はじめに

お久しぶりです.中村研究室新M2の渡邉健斗です.

2025年11月29〜12月3日にオーストラリアのシドニーで開催されたOzCHI2025にて「Can We Prevent “Text Neck” Using Only a Smartphone? Real-Time Neck Angle Estimation and a Serious Game as a Case Study」というタイトルで発表してきましたので,時間が空いてしまいましたがそのご報告をさせていただきます.今回発表した内容はHCI206EC75で発表させていただいたものを整理して英語化したものとなっていますので,ぜひ合わせてご覧ください.

研究概要

いきなりですがみなさん,普段どのような姿勢でスマートフォンを使っているでしょうか?
もしかしたら,下の図のようにスマートフォンを首より下に置き,上から覗き込むような姿勢で操作してしまう人も多いのではないかと思います.

頭部前方位姿勢

 

このような姿勢は,身体に対して頭部が前に突き出た「頭部前方位姿勢」と呼ばれていて,長時間続けることでスマホ首やストレートネックになってしまうといわれています.
また,そもそも首は傾ければ傾けるほど首に負荷がかかるとされていて,下の図のように例えば45度首を傾けると,22kgもの負荷が首にかかっていることになります.

首への負担(Hansraj, K. K.: Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head, Surg Technol Int, Vol. 25, No. 25, pp. 277–9 (2014).)

我々はこのような問題を解決するため,スマートフォンのみを用いて首の角度を推定する手法を提案し,課題はあるものの一定の精度で推定可能であることを明らかにしました.
そこで,この首の角度推定手法を用いてユーザの姿勢をリアルタイムに推定し,姿勢が悪い場合にはネガティブなフィードバック,姿勢がいい場合にはポジティブなフィードバックをするシステムにより,ユーザの姿勢矯正への意識を支援することを目指します.

姿勢矯正システムイメージ

シリアスゲームでの実装

今回はそのような仕組みのひとつの応用例として,シリアスゲームに着目しました.シリアスゲームとは,娯楽のみでなく教育や医療,ビジネスなど社会的な目的を持ち合わせたゲームで,ヘルスケアやフィットネスの分野でもその有効性が確認されています.

そこで,姿勢が悪いとプレイしにくく,姿勢が良いとプレイしやすくなるようにゲームを設計し,プレイのしやすさが変わらないものと姿勢矯正への意識やゲームの楽しさなどについて比較実験を行いました.
また,システムによって推定された首の角度も比較したかったため,姿勢によってゲームのプレイしやすさが変化するもの(顔+姿勢認識FB条件)としないもの(顔認識FB条件)の両方で,顔認識失敗時など姿勢が推定できなかった場合はゲームを続けられないようにしました.

今回は,ランダムに配置された数字を順番に押していく数字早押しゲームにおけるボタンの背景色とテキスト色のコントラストを制御することで,ゲームのプレイしやすさを変化させました.

姿勢が良い場合(顔+姿勢認識FB条件)

姿勢が中程度の場合(顔+姿勢認識FB条件)

姿勢が悪いの場合(顔+姿勢認識FB条件)

プレイしやすさが変わらない場合(顔認識FB条件)

顔認識失敗画面

結果・考察

顔認識FB条件と顔+姿勢認識FB条件を交互にプレイしてもらう実験を行い,それぞれをペアとして対応のあるt検定を行ったところ,姿勢への意識については姿勢の良さに連動したFBがある方が有意に意識が高まることが明らかになりました.
また,システムによる推定結果からも,顔+姿勢認識FB条件の方がユーザの姿勢矯正の意識が高かったことがわかりました.

ゲーム中の姿勢への意識(5段階評価)

これらの結果から,スマートフォンのみを用いてリアルタイムに姿勢推定,フィードバックを行うことで,スマートフォン利用者の姿勢矯正意識を促進できる可能性が示唆されました.

詳細についてはスライドや論文をご参照ください.

発表スライド

論文情報

Kento Watanabe, Satoshi Nakamura. Can We Prevent “Text Neck” Using Only a Smartphone? Real-Time Neck Angle Estimation and a Serious Game as a Case Study, 37th Australian Conference on Human-Computer Interaction (OzCHI 2025), pp.356-370, 2025.

感想

初めての国際会議で不安だらけでしたが,座長さんや質疑をくれた方が優しかったのでなんとか乗り切ることができました…!
またウェルカムイベントやカンファレンスディナーなど他の発表者の方と交流する機会も多く,研究に興味を持って話しかけていただくこともあり楽しかったです(英語ができればもっと楽しかったのかなと思いますが…)

空き時間での観光も楽しく,現地ののどかなオージータイムを感じながらのんびりするのは最高でした!
ハンバーガーやステーキ,カフェなどご飯もとても美味しく,発表のモチベーションが上がりました!

特に世界遺産のブルーマウンテンズ国立公園の衝撃が強く,一生忘れないと思うほどに壮大な自然を感じることができました.
とても貴重な経験ができて,これだけでも海外に行けて良かったと思いました笑
景色が素晴らしくルーラ村など食事やお土産もあるので,オーストラリアに行った際はぜひ訪れることをお勧めします!

同期がいろいろものを無くしたり電波が通じなかったりわちゃわちゃもありましたが,とても楽しく学会を終えることができました.

最後にはなりますが,原稿や発表練習をみてくれた中村先生や研究室の方々に感謝申し上げます.ありがとうございました!

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