こんにちは、中村研究室B4の松井です。つい先日パソコンのデータが概ね吹き飛んで頭の中が真っ白です。心機一転がんばります。
情報処理学会 第78回全国大会で「周辺視へのエフェクト提示による動画の印象変化についての調査」というタイトルで発表を行ってきましたので、その参加報告をさせていただきます。なお、この研究には以前EC2015で発表したものと関連した内容が含まれておりますので、良ければこちらも合わせてご覧ください。
発表内容
今回の発表内容は前回の研究での問題点などを補うものとなっています。
問題点の例としましては
- アンケート内容に不備があった
- エフェクトが正しく周辺視に提示されていたのかが不明である
などが挙げられます。そこで、これらの条件について検討し再実験を行い、その結果から考察を行いました。
実験結果を簡単にまとめますと
- 前回の実験同様エフェクト提示による印象の変化が認められた。
- エフェクトの有無によって視線の動きに変化は起こらなかった。つまり、エフェクトが周辺視に対して提示ができていた可能性が高い。
となっており、改めて本システムの有用性を示すことができるような結果となりました。
より詳細な内容を知りたい方は以下のリンクから論文をダウンロードできますので是非ご覧ください。
松井啓司,中村聡史:周辺視へのエフェクト提示による動画の印象変化に関する調査,情報処理学会第78回全国大会論文集(2016-03-12)
気になった研究
全国大会で登壇発表されていた物の中から、僕が特に面白いと感じた発表を少しだけ紹介させていただきます。
- 魅力的な写真作りを達成するウェアラブルライティング
- 有本 茜,椎尾 一郎(お茶の水女子大)
- 写真を撮る際に太陽光などの単一方向からのみ光が当たる照明を使っていると、顔の凹凸やしわによって影ができてしまい、思ったような写真を撮ることがなかなかできません。そこで帽子と付け襟にLEDと制御用のマイコンを埋め込んだウェアラブルなシステムの開発、Bluetoothで接続して明るさなどを制御できるスマートフォンアプリの実装を行い、照明に関する問題点などの解消を図った研究となっています。
-
スマートフォンにおける振動の印象を考慮したフィードバックの設計
- 白神 翔太,木下 雄一朗,郷 健太郎(山梨大)
- 近年、スマートフォンアプリなど様々な用途で振動によるフィードバックが用いられていますが、振動パターンの種類は少なく、表現できるバリエーションの数にも限界があります。この研究では振動の強弱、振動時間など様々なパターンを構築し、その印象評価などを行うことで振動にも「重い」や「硬い」などの印象を感じるパターンが存在することを明らかにしていました。
「学生奨励賞」を受賞しました
今回の発表で学生奨励賞をいただきました。
自分の名前を呼ばれた時に驚きすぎて、同行していた田村くんの顔を三度見してしまったのを今でも覚えています。本当にうれしかったです。
受賞することはできましたがいろいろと反省点などありますので、今後もより一層頑張っていきたいと思います。
最後になりますが、今回の実験や論文執筆にあたって、たくさんの方が協力してくれました。今回の受賞は間違いなく僕一人では成し得なかったことだと思います。改めて、本当にありがとうございました。