はじめに
はじめまして!
中村研究室B3の宮本快士です!
2024年8月24日・25日に兵庫県立大学商科キャンパスで開催されたヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)にて研究報告を行いましたので、ご報告させていただきます。
「待機画面におけるプログレスバーの進行速度変化が離脱に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました。
研究概要
みなさんはネットサーフィンをしているときに読み込みなどで待たされた経験はありますか?
多くのウェブサイトでは、読み込み中の待機画面にプログレスバーなどの進捗インジケータが用いられています。
進捗インジケータは、あとどのくらいで読み込みが完了するかなどをユーザに視覚的にフィードバックするものです。その中でも、プログレスバーは進行速度の変化が待機中のユーザの主観的な体感時間を変化させることが知られています。
これまでの我々の研究(Webブラウジング実験環境統制システムの実装と待機画面の表現が離脱に及ぼす影響の調査)では、Webページの読み込み中の待機画面にプログレスバーを表示するとスロバーを表示する場合に比べて離脱率が低くなることを明らかにしてきました。しかし、ここで用いていたプログレスバーは進行速度が一定でした。
ここで我々は、Webページの読み込み中に表示するプログレスバーの進行速度が変化することでユーザの離脱行動も変化するのではないかと考えました。
本研究ではプログレスバーの進行速度変化は、等速で進む条件に加えて指数のイージング関数に基づいて決定した4つの、計5つの条件を用いて実験を行いました。
プログレスバーの進行速度変化の様子を示した図です。
実験では、ページを遷移しながら情報探索を行うタスクを実施しました。ここでは、各ページにアクセスすると読み込み時間が発生して待機画面となり、読み込みが完了するとページの内容が表示されます。このページ遷移において、待機時間中にブラウザバックやリロードのボタンがクリックされた場合、離脱したと判定するようにしました。
実験はYahoo!クラウドソーシングを利用して、PCを対象として実施しました。
その結果、以下のような傾向が明らかになりました。
- プログレスバーのアニメーション開始時の進行速度が遅い条件やプログレスバーが停止しているように見える時間が長い条件は、進行速度が一定の条件と比べて離脱する人が多い傾向
- プログレスバーの進行速度が遅いタイミングで離脱が発生する傾向
今後は
- 複数の進行速度を組み合わせて離脱行動を調査
- PCとスマートフォンの比較
を検討していく予定です。
質疑でいただいた質問
- リロードはポジティブな理由があるが、ネガティブな離脱と同じ扱いにした理由はあるか?
- 読み込みに時間がかかる理由を提示すると良さそう
- プログレスバーは完成したパーセンテージを提示するものとして定着しているものだから、実際の読み込みの進行状況を示す必要があると思う。
スライド
論文情報
感想
今回が学会デビューとなりましたが、本当に学びの多い体験であったと感じています。発表をしている方々がどれほどの熱量で研究をしているのかを実際に感じることができました。また、他大学の方々ともお話することができて本当に楽しかったです!
自分の発表はとても緊張し、やりきれたと言える結果ではありませんでしたが、自分の研究に対する意識などを考える良いきっかけになりました。この複雑な気持ちも3年生のこの時期に体験することができたことに感謝して、これからの人生に活かしていきます。
今回の学会で最も強く感じたことは、研究室のメンバーへの感謝です。テスト前や夏休みという状況でも、自分のために添削や発表練習などをしていただきました。自分の代でこの良い流れが途切れることがないよう、自分もできる限りのことはしていきたいと考えています。
今回一緒に発表した先輩方や同期がいたおかげで、準備期間も含めて本当に楽しい時間を過ごすことができ、無事に発表まですることができました。本当にありがとうございました!!!観光や移動時間も本当に楽しかったです!!!
最後になりますが、何もわからない状態の私をさまざまな面からサポートしていただいた中村先生、共著や同じグループの先輩方、研究室の皆さんに感謝申し上げます。本当にありがとうございました!
宮本快士