第42回DCC研究会にて「譜面への書き込みによる視認性低下の改善を目的とした筆記情報を用いた重要度設定手法の提案」というタイトルで発表してきました(津田紗宮良)

投稿者: | 2026年3月18日

はじめに

中村研B4の津田紗宮良です。

2026年1月22~23日に宮古島市未来創造センターで開催された第42回DCC研究会にて研究発表を行いましたので、ご報告させていただきます。今回は、「譜面への書き込みによる視認性低下の改善を目的とした筆記情報を用いた重要度設定手法の提案」というタイトルで発表してきました。

研究概要

背景と目的

中高の部活動として行われる吹奏楽や管弦楽では、練習中に課題点やアドバイスなどを記録するために譜面への書き込みをよく行います。しかし、練習期間が長かったり曲の難易度が高かったりすると書き込み量が増加し、譜面や書き込み自体の視認性が低下してしまいます。

そこで本研究では、デジタルの譜面上において、演奏者が書き込んだ情報を整理し、必要な情報を適切に取得できる譜面環境を実現することを目的として、筆記情報を用いた重要度設定手法の提案を行いました。

提案手法

色やレイヤーなどの既存のデジタル譜面アプリで用いられている整理方法では、メニュー操作などの追加の操作が必要になってしまいます。そこで、本研究では、書き込み時の筆圧や文字を囲ったり下線を引いたりする書き方といった筆記情報に着目し、それらを用いた手書きメモの重要度設定機能を備えたデジタル譜面手法を提案しました。

筆記情報から重要度を設定し、重要度が低いものは時間経過とともに濃度を下げて表示することで、視覚的な情報の取捨選択を自然な形で促して、演奏者自身にとって必要な情報のみが残る譜面環境を提供できるのではないかと考えました。

 

 

実験と結果

今回は初期検討として、現役の吹奏楽部員を対象とした譜面への書き込みに関するアンケート調査とプロトタイプシステムを用いたユーザ評価実験を実施し、システムの利用可能性についての検討を行いました。

アンケート調査では、練習の段階に伴って重要視される書き込みが譜面理解から音楽表現へと変化することが明らかになり、書き込みの表示濃度を変更するという提案手法がこの時間経過に伴う書き込みの重要度の変化に対応できる可能性が示唆されました。

ユーザ評価実験では、筆圧を用いた重要度の書き分けがある程度可能であることが示された一方で、時間の制限や楽器の種類など、重要度の書き分け精度に影響する要因がいくつかあることが明らかになりました。

 

展望

筆圧のみでは書き分け精度に限界があるため、文字を囲うなどの書き方や書き込まれた内容といった複数の指標を組み合わせることによって重要度の設定精度を向上していきたいと考えています。

 

発表スライドと書誌情報

津田 紗宮良, 中村 聡史. 譜面への書き込みによる視認性低下の改善を目的とした筆記情報を用いた重要度設定手法の提案, 情報処理学会 研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC), Vol.2026-DCC-42, No.20, pp.1-8, 2026.

おわりに

今回は、昨年度とは異なり自分で考えたテーマでの発表ということで少し不安もありましたが、無事に発表を終えることができてよかったです。

また、天候にはあまり恵まれなかったものの、最終日に見た海は本当に綺麗でした!!

 

最後になりますが、テーマ決めから実験設計や論文執筆、発表練習に至るまで、ご指導いただいた先輩方や中村先生、そして実験に協力してくださった顧問の先生方や後輩の皆様に、感謝申し上げます。

ありがとうございました!

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