第217回HCI研究会にて「色の対応関係に基づくダークパターン: 物理ボタンと画面表示の色対応の不一致が選択行動に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました(野島樹)

投稿者: | 2026年3月18日

はじめに

中村研究室学部3年の野島樹です。

2026年3月9日〜11日に芝浦工業大学豊洲キャンパスにて開催された第217回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会(HCI)にて研究発表を行いましたので、ご報告させていただきます今回は「色の対応関係に基づくダークパターン: 物理ボタンと画面表示の色対応の不一致が選択行動に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました

研究概要

背景

ダークパターンとは、ユーザが本来望んでいない行動を取るよう誘導するデザインのことです。これまでの研究では主にWebサイトやアプリの画面上の問題がよく扱われてきましたが、私たちはそれだけでなく、画面と操作装置の組み合わせでも同じような問題が起こるのではないかと考えました。

たとえば、画面には2つの選択肢が表示され手元に赤と青のボタンがあるとします。このとき、画面上の選択肢から連想される色と実際に押すボタンの色の対応がずれていると、利用者がうっかり違う方を選んでしまう可能性があります。私たちは、このような色の対応のずれが人の選択行動にどのような影響を与えるのかを調べました。(ペプシ・コーラからは青、コカ・コーラからは赤が連想される。)

この仕組みは、たとえば支持率調査のように「どちらが多く選ばれそうか」に偏りがある場面や、券売機・ゲームセンターのように、利用者が何を選びたいかある程度推測できる場面で問題になりうると考えています。

実験と結果

 

実験では、赤と青の2つの物理ボタンを使って二択の質問に答えてもらい、各参加者には画面上の選択肢とボタンの色の対応が一致している条件と、対応が一致していない(不一致)条件の両方を体験してもらいました。

結果として、対応が一致していない条件では誤って選択する割合が高くなりさらに回答までの時間も長くなることが分かり、色の対応関係が一致していない場合には利用者が迷いやすくなり意図と異なる回答をしてしまう可能性が高まることが示されました。

以上の結果から、画面デザインとしては問題なかったとしても、操作装置の組み合わせにおける色の対応関係の不一致によって誤選択が生じる可能性が見え、これはつまり画面と操作装置の組み合わせでダークパターン化することを示唆する結果だと考えています。

今後

今後は、単に誤選択が増えるかどうかだけではなく、現実の場面において選択割合を操作できてしまうのかを踏み込んで調べる必要があると考えています。

発表スライドと書誌情報

おわりに

初めての学会発表ということで不安や緊張もありましたが、なんとか無事に発表を終えることができて良かったです。

最後に、研究や論文執筆、発表練習に何度もご指導いただいた中村先生や研究室の皆様に心より感謝申し上げます。

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