はじめに
こんにちは,中村研究室B3の渡邉健斗です.
2023年1月16日〜17日に石垣島で開催された第201回HCI研究会にて「ドレミハンドルにおける一音階に対する角度幅がカーブ走行の上達に与える影響の調査」というタイトルで発表してきましたので,報告させていただきます.
研究概要
みなさん,運転は得意でしょうか?あまり自信がない人や,ペーパードライバーだという人も少なくないと思います.
実際にクラウドソーシングを用いて運転免許を保有する男女2000名にアンケート調査を行ったところ,全体の23%が運転が苦手と回答していました.そのうち52%の人が,特にカーブ走行で重要なハンドル操作に対して苦手意識を持っているということがわかりました.
そこで,初心者のカーブ走行を支援するために,ハンドルを回した角度に応じてドレミ音が鳴る,ドレミハンドルというシステムを提案してきました.
これを用いて実験を行ったところ,ドレミハンドルを使用して運転すると修正舵が有意に減少する,ハンドル操作がゆっくりになるということがわかりました.(HCI200)
しかし,これまでは「ハンドルを90度回すと音階が1オクターブ上がる」という設計でしたが,音がより細かく変化する方がさらにハンドルの操舵の解像度が上がって運転技能が向上するのではないかと考えました.
実際にWideとNarrowを用いて走行した動画がこちらになります.
実験の結果,以下のようなことがわかりました.
- 右カーブに比べて左カーブの方がハンドル操作が不安定
- 左カーブの中で
- 急なカーブではWideが最も効果的
- 緩いカーブではNormalが最も効果的
- Narrowはあまり効果がない
これらのことから,本ドライビングシミュレータでは左カーブの方が運転が難しく,カーブごとに適切な音の細かさが異なるということが示唆されました.
詳細についてはスライドや論文をご参照ください.
発表スライド
論文情報
感想
初めての学会発表でとても緊張しましたが,一緒に頑張ってきた人や応援してくれる人が近くにたくさんいてくれたので,なんとか乗り切ることができました.
あいにく天気にはあまり恵まれませんでしたが,綺麗な海を見て,美味しいご飯を食べて,研究室のメンバーとたくさん楽しい時間を過ごすことができとても幸せな旅でした.
数々の議論をしてくれた共同研究先の御三方,実験に参加してくれた方々,論文のチェックや発表練習など多くのサポートしてくれた先輩や同期,そしてご指導していただいた中村先生に心から感謝申し上げます.
ピンバック: HCS研究会で「操舵角度に応じた音提示の音高変化がカーブ走行時の操舵に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました(渡邉健斗) | 中村聡史研究室