第199回HCI研究会にて「コミックにおける読者依存性の高い地雷表現回避手法の実現」というタイトルで発表してきました(伊藤理紗)

   

はじめに

お久しぶりです!中村研究室M2の伊藤理紗です。さて、2022年8月22日~23日に小樽で開催された第199回HCI研究会にて研究発表を行いましたので、ご報告させていただきます。

 

研究概要

この記事を読んでいるみなさんは、なにか苦手なものはありますか?私は蜘蛛と集合体が苦手です。
このような苦手意識は現実世界だけでなくコミックにおいても存在すると考え、コミックの苦手な描写に着目しました。
さらに本研究では「読者の苦手意識が原因となり不快に感じてしまい読むのをやめてしまう描写」を読者依存性の高い地雷と定義しています。

私はこれまでの研究において、地雷の存在を気にすることなくコミックを読めるようにすることを目指し、コミックを読みながら地雷にフラグを付与してもらい、その情報を集約して地雷の存在を事前に教えるという手法を提案しました。

この提案手法を実現するために、今回は地雷フラグ付与実験とプロトタイプシステムの簡易利用実験の2つの実験を行いました。
なお、地雷フラグ付与実験については第6回コミック工学で発表した内容が詳しいですのでそちらの発表報告記事を読んでいただければと思います。

この地雷フラグ付与実験で得た地雷フラグを分析してそのデータを用いて、少年ジャンプ+でコミックを読みながら地雷フラグの登録と地雷箇所の予告が可能なプロトタイプシステムをGoogleChromeの拡張機能として実装し、数名に使った感想を回答してもらいました。

その結果、システムの利用は手軽である、予告によって心構えができるといった感想が得られました。
しかし、予告によって集中力や読むテンポに悪影響があるという感想もありました。これは、1人でも地雷フラグを付与しているページに対して予告を行ったため予告回数が多くなってしまったことや、予告画面のデザインがコミックと大きく異なったことなどが原因だと考えています。

今後は、予告に閾値や基準を設けることや予告画面の改善、対応可能なコミックサービスの拡大などを進め、多くの方に使っていただき長期的な利用実験を行うことでその実用性や予告の影響について詳しく調査していく予定です。
詳細については、後述する原稿とスライドを参照してください。

発表スライドと論文情報

発表スライド

論文情報

 

感想

最近はオンライン開催の学会に参加することが多く対面発表は2年ぶりだったのでかなり緊張していて、スマートウォッチによるとBPMが130以上ありました。
発表に対し多くの質問やコメントを頂くことができて大変嬉しかったです。頂いたご意見は今後の研究に活かしたいと思います。

小樽の街並みが素敵で、特に夜になると運河沿いのオレンジの灯りがとても綺麗でした。
また、今回は研究室の同期全員で小樽に行くことができたので卒業旅行のような気分でとても楽しかったです!M1の2人ともさらに親睦を深めることができたように感じます!

(ルタオ本店のショコラの誘惑セットです)

最後になりますが、今回の発表にあたりご指導いただきました中村先生、発表練習や議論にご協力くださった研究室の皆さんに心より感謝申し上げます。

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