こんにちは,中村研B4の白鳥裕士です.花粉の攻撃の鋭さが火を吹く勢いで増し,日に日に体が疲弊していく季節になりましたね.どうか皆様も無理せずお体を大切にしてお過ごし下さい.
さて,今回ですが,2017年3月10日〜11日にかけて,慶応大学日吉キャンパスにて「第43回 情報処理学会エンタテインメントコンピューティング研究会」に参加し,発表をしましたので報告したいと思います.
今回の研究は,サッカーを対象として,ネタバレが観戦者に影響を及ぼすのか,またどのような影響を及ぼすのかを調査したものとなっています.調査内容については,HAIにてポスター発表した時から実験人数を増やしたものとなっています(HAIでの発表報告はこちら).
調査について改めて簡単に説明しますと,過去の試合2試合と,リアルタイムの試合2試合について,ネタバレをしてから視聴させる人とネタバレをしないで視聴させる人が感じる面白さを比較する実験を実施しました.面白さについては,以下の項目について評価してもらいました.
- プレーに興奮したか(興奮度)
- 試合の緊張感は感じたか(緊張感)
- 「悔しい」「嬉しい」など試合展開に一喜一憂したか(一喜一憂度合い)
今回の実験の結果,
- ネタバレの有無は興奮度にはあまり影響がない
- ネタバレは緊張感に対してマイナスの影響を大きく及ぼす
- 一喜一憂度合いには場面の種類によって(特にチャンスの場面に)ネタバレが影響する
- 自己投影度合いが低い人(試合を客観的に視聴する人)はネタバレの影響が小さい
- 比較的落ち着いた展開の試合ではネタバレの影響が大きい
ということがわかりました!
EC研究会という場での発表になりましたが,今回の研究はダイジェストなど,エンタテインメント分野でも様々な応用が可能なのではないかと考えています.
詳しい情報は,下の発表スライドにありますのでご興味のある方は是非閲覧いただければと思います.
また,発表した論文は下記から参照できますのでよろしければご覧ください.
発表についてですが,聴講に来ていたのが分野で有名な方々ばかりで緊張しましたが,学会では3度目,学内を含めると10回近く発表してきた経験が活き,研究としても発表としても会場を湧かせることができたので満足しています.また,「スポーツの種類によって変わってきそう」「サッカーの中で何がネタバレとなるのか明らかにしてほしい」「いろいろ応用がききそうで面白い」といった,EC研究会ならではの多種多様な意見を頂けたので参加してよかったと感じています.
結びになりますが,ここまで読んでいただいたことに感謝します.今後の活動にもぜひ注目していただければ嬉しいです!