HAIシンポジウム2016で「サッカーのネタバレが視聴者の観戦態度に及ぼす影響」という内容でポスター発表をしました(白鳥裕士)

   

こんにちは,中村研B4の白鳥裕士です.この時期は鼻の粘膜の乾燥が気になりますね.ちょっとだけアレグラとか買ってみたいです.

2016年12月3~4日にかけて東京大学 駒場キャンパス 21KOMCEEにて「HAIシンポジウム2016」に参加し,ポスター発表をしましたので報告したいと思います.

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さて,みなさんは録画していたスポーツの試合をネタバレされてしまった経験はあるでしょうか?楽しみにしていた試合の結果をネタバレされてしまうと,嫌な気分になってしまう人もいるでしょう.では,実際ネタバレは試合の面白さのどの部分に影響を及ぼすのでしょうか?また,どのような視聴者や試合に影響するのでしょうか?

今回の研究は,サッカーを対象として,ネタバレが視聴者に及ぼす影響とは何であるのかを調査したものとなっています.

調査は,過去の試合2試合と,リアルタイムの試合2試合(国際親善試合:日本代表対オマーン、ワールドカップアジア予選:日本対サウジアラビア)について,ネタバレをしてから視聴させる人とネタバレをしないで視聴させる人が感じる面白さを比較する実験を実施して行いました.リアルタイムの試合については,試合当日にネタバレをされてしまうというネタバレがいやだ!と感じる人にとっては嫌な実験となっています(事前に実験協力者には2分の1の確率でネタバレされる可能性があることを伝えています).面白さについては,以下の項目について評価してもらいました.

  • プレーに興奮したか(興奮度)
  • 試合の緊張感は感じたか(緊張感)
  • 「悔しい」「嬉しい」など試合展開に一喜一憂したか(一喜一憂度合い)

今回の実験の結果わかったこととしては

  • ネタバレの有無は興奮度にはあまり影響がない
  • ネタバレは緊張感に対してマイナスの影響を大きく及ぼす
  • 一喜一憂度合いには場面の種類によって(特にチャンスの場面に)ネタバレが影響する
  • 自己投影度合いが低い人(試合を客観的に視聴する人)はネタバレの影響が小さい
  • 比較的落ち着いた展開の試合ではネタバレの影響が大きい

ということになっていました.

今回行った調査は,ネタバレのマイナス影響を認めるものであり,ネタバレ防止研究の有用性を裏付けるものとなりました.また,試合や視聴者の特性によって非表示にするコメントを切り替えるようなネタバレ防止システムへの応用も可能であると考えています.

発表した論文は下記から参照出来ますのでよろしければご覧ください.

白鳥裕士, 中村聡史, 小松孝徳. サッカーのネタバレが視聴者の観戦態度に及ぼす影響, ヒューマンエージェントインタラクション2016, 2016.

学会でのポスター発表は初めてでしたが,「心拍を計測したらどうか」「大番狂わせが起こった試合はネタバレされるとみたくなる」といった,今後の研究に活かせるような貴重な意見が得られ,参加してよかったと感じています.また,普段あまり話すことができない分野の方々とお話ししたり,聞くことができない研究の話を聞いたりすることもできたので良い刺激になりました.

今後も頑張ってネタバレに関する研究を推進していきたいと思います.

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