DEIM2021で「コミックにおける読者依存の地雷表現に関する基礎検討と軽減手法の検討」というタイトルで発表してきました(伊藤理紗)

投稿者: | 2021年3月3日

花粉症の人にとっては辛い季節になってきましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は目の痒さと戦う日々を送っています。

お久しぶりです。中村研究室B4の伊藤理紗です。さて、2021年3月1〜3日にオンラインで開催された第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021)にて研究発表を行いましたので、ご報告させていただきます。

 

研究内容

この記事を読んでいるみなさんは,コミックはお好きですか?
また、コミックを読んでいる際に、苦手な描写に遭遇して辛い思いをしたといった経験はありませんか?

私は蜘蛛が苦手で、コミックを読んでいる途中で突然作品中に蜘蛛が登場し、しばらくそのコミックを読み進められなかった経験があります。

本研究ではこのようなコミックの中で唐突に登場する、読者が苦手な描写に着目し、これを「読者依存性の高い地雷」と呼んでいます。
今回の研究において、読者依存性の高い地雷とは、「不快に感じたり苛立ちを覚えたりして受け入れることが難しく、できる限り読むのを避けたい描写」と定義しています。例えば、虫が苦手な人にとっての虫や、犬を飼っている人にとっての犬がひどい目にあう描写などは、読者依存性の高い地雷といえます。
このような、読者依存性の高い地雷は読者の苦手意識によるものであり、その表現を規制することは望ましくありません。

そこで、この研究ではまず読者はどういった地雷をもっているのかについて大規模なアンケート調査を実施し、33%の読者が地雷を持つことなどを明らかにしました。

また、こうした読者依存性の高い地雷と遭遇した際の影響を軽減することを目的とし、読者依存性が高いと言っても世の中には多くの似た地雷を持つひとがいることに着目して、最初に読んだ人はどうしても犠牲になるもののその後の人は大丈夫になるようにお互いにその情報をシェアするとともに、予告して軽減する手法を提案および実現しました。

具体的には、読者が地雷を読者がコミックを読みながら読者依存性の高い地雷にフラグを付与してもらい、その情報を集約して地雷の存在を事前に教えることでつらさを軽減するという手法を提案し、手法を用いたコミックビューアのプロトタイプシステムを実装しました。

まずフラグを付与する際には、地雷表現が含まれているページをクリックすることで下の図のようなフラグを付与するためのメニューが提示され、そこからフラグを選ぶことで付与が可能となっています。

そして読者依存性の高い地雷の予告は、地雷表現が含まれているページの1ページ前に、下の図のような予告文とともに赤い四角で地雷の箇所が提示されます。

このシステムを用いて、地雷フラグを付与してもらう実験とシステムを用いてコミックを閲覧してもらう実験を行いました。
その結果、

  • 地雷フラグの付与は手軽であり、網羅的に付与する人(地雷のない人)は、地雷のある人と似たような付与傾向にあること
  • 地雷表現の予告によって、該当ページへの不安が減少する可能性があること

が明らかになりました。

今後は、実験協力者の人数や読者依存性の高い地雷の種類を増やして実験を行い、さらに詳しい結果について調査していく予定です。
最終的には既存のコミック閲覧サービスの機能として組み込めるようにできたらと思っています。

詳細については、後述する原稿とスライドを参照してください。

 

文献とスライド

伊藤 理紗, 中村 聡史. コミックにおける読者依存の地雷表現に関する基礎検討と軽減手法の検討, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), No.D13-1, pp.1-8, 2021.

 

最後に

発表時に少しシステムトラブルがありましたが、焦らず対応でき良かったです。
また、音楽やコスメの研究、ラップに関する研究など様々な分野の研究を知ることができ、とても有意義な3日間を過ごすことができました。

最後になりますが、今回の発表にあたりご指導いただきました中村先生、発表練習や議論にご協力くださった研究室の皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました!

DEIM2021で「コミックにおける読者依存の地雷表現に関する基礎検討と軽減手法の検討」というタイトルで発表してきました(伊藤理紗)」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 第5回コミック工学研究会にて「コミックにおける読者依存性の高い地雷表現の基礎調査とその軽減手法」というタイトルで発表してきました(伊藤理紗) | 中村聡史研究室

  2. ピンバック: 2022年度 修了生: 伊藤 理紗【修士(工学)】 #28 | 中村聡史研究室

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