DEIM2019 参加報告(南里,佐藤,前島,阿部,田村,白鳥)

      2023/03/22

こんにちは!中村研OBの佐藤・前島・田村・白鳥,M2の阿部,B4の南里です!

去る3月4日(月)〜6日(水),ホテルオークラJRハウステンボスにて行われた第11回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2019)に参加してきたので,その報告をさせていただきます.

個々の発表報告については以下の記事を参考にしていただければと思います.

 

気になった研究

ここでは,各自が気になった研究発表を1つずつ紹介させていただきます.

 

佐藤が気になった発表

位置情報付き写真に基づくルート推薦システム:湯浅 智紀,奥 健太(龍谷大学)

この研究では,観光旅行者向けの「良い景観」を含む観光ルートを推薦する仕組みを実現することを目的としています.ここで提案されている手法では,過去に他者が撮影した写真の枚数が多い道路ほど「より良い景観を含む場所」であると仮定し,2つの道路ノードを結ぶリンクのコストを低くします.
その後,ユーザが出発点と到着点を入力した段階で,道路リンクの合計コストが最も低くなるようにルートが生成されます.それにより,従来の最短ルートを推薦するような仕組みなどとは異なるものを実現しています.
評価実験では,12名の大学生に協力してもらっています.提案手法によって生成した京都市内の5つのルートをGoogleストリートビューにて閲覧してもらい,観光目的で散策を楽しむために適切かを検証しています.結果として,従来の推薦ルートと比較して観光を楽しむことができるかどうかは,ルートによって変わることが分かりました.本提案手法では,単純にたくさん写真の撮影された場所を「いい景観」の場所としていましたが,その中に景観と関係のない写真(レストランで撮影された料理の写真など)がノイズとして混ざっており,これが十分な精度を出せない原因であると考察されていました.こういったノイズを除去することで手法の有用性が向上する可能性があるとのことです.

この研究では徒歩での観光を想定しているようですが,移動手段に限らず,屋外を観光する場合において景観を楽しめるかどうかは1つの重要な要素でしょう.
僕はサイクリングで街めぐりをすることが趣味なので,この手法によって推薦されたルートならば,より気分もリフレッシュでき,良い写真も様々に撮影できそうだなと思いました.

阿部が気になった発表

文書分類技術に基づくエントリーシートからの業界推薦:三王慶太,酒井哲也(早稲田大学)

この研究では,就職活動においてユーザにマッチした業界を,エントリーシートから推薦する方法を試みています.研究の著者は,業界によって就職活動の志望者や内定者のパーソナリティ(性格・属性・志向など)に差があることに着目し,ユーザ本人のパーソナリティと業界がどれだけマッチしているかによって推薦を行っています.

これらを実現するための手法として,エントリーシートに反映されるパーソナリティを,その文章中の単語によって分析しています.オンライン上に掲載されているエントリーシートを利用し,それらから業界の特徴ベクトルとユーザの特徴ベクトルを作成しています.また,それらのベクトルのコサイン類似度を求めることで,推薦を実現しています.

就職活動に関する研究は個人的にはめずらしいと感じ,とても印象に残る研究発表でした.発表者本人も就職活動の最中ということで,実体験とともに語る研究は説得力があり,共感できる内容が多かったです.また,これを利用することで自身の視野に無かった業界について考える機会を得られるなど,非常に面白い研究だと思いました.

田村が気になった発表

「いいね」を行う基準を考慮したセレンディピティが高いTweet推薦手法 :植竹 麗,牛尼 剛聡 (九大)

この研究では,SNSにある大量の情報の中から,「いいね」を行う基準をもとにユーザが興味を持ちそうなTweetを推薦する手法の提案を行っています.その背景としては,これまでのコンテンツベース推薦手法では推薦されるトピックが限定されているため,思いがけないコンテンツ,つまりセレンディピティの高いコンテンツを偶然に発見することが出来にくいという問題がありました.そこで著者らは,ユーザが「いいね」を行ったツイートは,ユーザがTwitterを利用して見つけたかったセレンディピティが高いTweetであると考え,「いいね」を行う基準を考慮したTweet推薦手法を提案しています.その手法がこれまでの推薦手法よりも,セレンディピティが高いTweetを推薦することが出来ているかを評価実験により検証しています.その評価実験では,従来手法と「いいね」を行う基準を考慮した推薦手法の満足度を比較しており,その結果提案手法の方が満足度が高くなっているため,提案手法を用いることで,従来手法よりもセレンディピティの高いTweetを推薦出来ていることを明らかにしています.

この研究を気になった研究として選んだ理由としては,自分は暇なときにはよくおすすめのツイートを読んで暇を潰しているため,こういった研究の知見が活かされることで,おすすめのツイートがより洗練されたものになり,これまで以上に楽しく暇を潰せるようになるのではないかと思ったからです.

 

感想

DEIMはとても規模の大きな学会で,自分の聞きたい分野の研究発表がすぐ見つかることが魅力だと感じました.
特に,インタラクティブセッション(ポスターやデモを用いての発表)では,立食形式で聞いたり議論したりすることができるため,かなり充実した時間を過ごすことができたように思います.

今年のDEIMの会場はハウステンボスということで,園内の様々なアトラクションを満喫したり,佐世保バーガーをいただいたりしました.

ハウステンボス内にて記念写真(撮影:白鳥)

佐世保バーガー @ハウステンボス・エバーカフェ

また,佐世保駅方面にも赴き,レモンステーキや魚介白湯ラーメンを堪能しました.

レモンステーキ @蜂の家

魚介白湯 @ラーメン砦

今回私たちの発表を聞きにきてくださり,また質問やコメントなどしてくださった皆さま,本当にありがとうございました!
今回の参加メンバーの大半はM2で卒業のため研究室を離れてしまいますが,就職先でも精一杯頑張っていきたいと思います.
残りのメンバーも,引き続き研究活動で精進してまいります.

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