こんにちは!B4の菅野一平です。
1年があっという間に過ぎて,もう2月になってしまいました。時が経つのは早いですね。
さて、2020年1月23~24日の2日間、隠岐の島文化会館にて開催された「第24回デジタルコンテンツクリエーション研究会(DCC24)」に参加し、研究発表をしてきましたのでその報告をさせていただきます。
研究概要
今回発表させていただいた研究は,イラスト制作で重要な「観察」を支援することを目的としています。
絵を描くときには見本をよく観察して,描画対象をしっかりとイメージすることが大事です。
しかし,観察は目に見えない作業で,とても難しいです。また,十分に観察するためにはとても時間がかかります。そして,どうしても「描く」ことに意識が向いてしまい,なかなか観察には意識が向きづらいです。
実際に,皆さんも「よく観察して,絵を描いてください」と言われて絵を描いたとしても,どこかバランスが崩れてしまったり,思い通りに描けなかったりということがあると思います。頭で分かっていても,なかなか描いてる最中に,観察を意識することは難しいと思います。
特にイラスト初心者の方は
・観察
・考察,イメージ
が十分にできていないという問題があります。
そこで,本研究では初心者に対し,適切な観察を促すことを目的としています。
その実現のために,「観察して気づいたことを,描いている最中に言語化させる」というアプローチをとっています。
気づきを言語化させることで,
・頭で考えるだけでなく,アウトプットさせることで,描画対象についてよりイメージ,考察する
・言葉にするため,深く考察する
・描画対象の観察に意識が向き,より観察する
このようなことを初心者が行うと考えています。
本研究では,この言語化手法が適切な観察を促せるかを確かめるために初心者を対象に,模写実験を行いました。
自身の気づきを言語化する,しない条件で,絵にどのような違いが表れるかを検証しました。
実験の結果として,模写時に気づきを言語化をさせることで,細かい部分への描きこみが増えるといったことが明らかになりました。
この画像の模写においては,縛った髪の流れや,口の黒い空間などが言語化あり条件においてよく描写されています。
この画像の模写においては,目元のバランスなどが言語化あり条件においてよく描写されています。
実験協力者ごとに比較しても,言語化あり条件において,髪の流れの表現や,陰影の描写など,細部の特徴までよく描きこまれています。
これらのことから,気づきを言語化させることで,細部への観察を促せたのではないかと考えられます。
今後は,さらに実験人数を増やし,観察の特性を調査するとともに,支援システムの実現に向けて研究を行っていきます。
発表スライド
文献情報
感想
久しぶりの発表だったためか,少し緊張しました。
発表を聴いてくださった方々、質疑をくださった方々、ありがとうございました。今回いただいた意見を今後の研究に役立てていきます。
今回,隠岐の島に初めて行ってきました。
自然が豊かで、海風がとても心地よかったです!船がたくさんあって、とても新鮮でした。
また、とても歴史のある土地で、「世界ジオパーク」に認定されている珍しい場所でした。1日目のセッションの時に、ジオパーク推進協議会の事務局長さんに隠岐の地形や、歴史について色々教えていただきました。大変興味深かったです!
そして、海の幸がとてもおいしかったです!めっちゃ脂のってた!
また行きたいです!
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