南里 英幸さん
学部3年生~修士2年生の4年間研究室に在籍し、国内会議発表6件(主著が4件)と、コロナ禍で大変ななか、4年間で十分な成果を残しました。
まず学部3年生の頃には眼鏡型集中計測装置を使って、その集中度からユーザやグループの行動を推定する研究に取り組み、音ゲーによる集中やグループワークによる同期に特性があることを明らかにしました。この研究は、後輩のゲームリプレイ動画のダイジェスト生成に関する研究にも応用されていきました。
また学部4年生では、ひとがタスクに取り組んでいる時に集中が切れてしまう問題に着目し、野球のノック練習で「残り10本」などと言われると頑張ったなという記憶をもとに、疲れてきたときなどにカウントダウンを提示する研究に取り組み、卒業研究としてまとめました。
また修士では、そのカウントダウンの提示方法について、カウントダウンを表示しない、カウントダウンをずっと表示する、カウントダウンを最後の30秒だけ表示するの3条件について比較する実験を行いました。ここでは、それぞれの手法間には十分な差がなかったものの、カウントダウンが途中で表示されたときの残りのタスク量がその行動に影響していることが示唆されました。そこで、残りタスクがどれくらいのときにカウントダウンを表示すると効果的なのかを検証する実験を行い、カウントダウンは残りタスク量が少ないときより、残りタスク量がカウントダウン中にギリギリ終わるか終わらない程度のもののときに効果があることを明らかにし、そうした成果をもとに修士論文「カウントダウンを用いたタスク促進手法に関する研究」を書き上げました。
南里君は、中村研の集中に関する研究を一段階おし進めてくれました。今回のカウントダウンに関する成果は今後の研究室の研究の一部としてより発展していくのではと思っています。また、ゼミでの質疑にも積極的に参加してくれ、後輩にも色々な意見を出してくれるため、研究室においてずいぶん助けられました。
4月からエンジニアとして働いてます。どこかで見かけましたら、是非ともお声がけいただきますとともに、ご支援をよろしくお願いいたします。
業績
- 国内発表
- 南里 英幸,中村 聡史: 眼鏡型集中度計測端末による行動推定, 第11回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2019), 長崎 (2019/03/05).
- 藤原 優花, 南里 英幸, 山浦 祐明, 中村 聡史: 眼鏡型計測端末を用いたゲームプレイにおける重要なシーン抽出手法の検討, エンタテイメントコンピューティング2019 (2019/09/20).
- 南里 英幸, 中村 聡史. キリの悪いカウントダウンを用いた限界突破手法の提案, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2020-HCI-187, No.26, pp.1-8, 2020/06/02.
- 南里 英幸, 中村 聡史. カウントダウン提示によるタスクへの再集中手法の検討, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2021-HCI-192, No.35, pp.1-7 (2021/03/16).
- 桑原 樹蘭, 南里 英幸, 中村 聡史. タスク周辺への視覚刺激を用いたPC上タスクに対する集中度向上手法の検討, 情報処理学会 ヒューマンコンピュータインタラクション研究会(HCI), Vol.2021-HCI-193, No.21, pp.1-7, 2021.
- 南里 英幸, 中村 聡史. カウントダウン提示時の残タスク数がタスクの処理速度に及ぼす影響, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-196, No.20, pp.1-8 (2022/01/12).
- 学位論文
- 修士論文「カウントダウンを用いたタスク促進手法に関する研究」
- 卒業論文「カウントダウンを用いた限界突破手法の提案」