こんにちは、花粉症で目がミニトマトのように真っ赤になってしまった新M2の山浦です。未だに何由来の花粉症なのかわからないのでいい加減耳鼻科に行こうと思います。
3月18, 19日に明治大学中野キャンパスで開催されたSIGHCI182に参加し、研究発表をしてきましたのでその報告をさせていただきます。
あらまし
映画や動画、画像やゲームなどのコンテンツは私たちの暮らしを活気あるものにする、または彩るものであり、日々の暮らしを豊かにする上で欠かせないものです。こうしたコンテンツをさらに楽しむであったり、いつもとは違った見方でそのコンテンツを味わうというような、コンテンツの体験を拡張するような研究というのは多くなされてきています。本研究はゲームの体験拡張に焦点を当てたものとなります。
研究内容
本研究は過去に進めてきた研究「視線に追随したエフェクトによるデジタルコンテンツの体験拡張手法の提案」の発展させたものとなり、ここでは新しく明らかになった内容について説明させていただきます。過去の研究の詳しい内容についてはこちらの記事「SIGHCI169で「視線に追随したエフェクトによるデジタルコンテンツの体験拡張手法の提案」の発表をしてきました。(山浦祐明)」と、それを英語訳して発展させた内容についてのこちらの記事「HCII2018にて「Image Blurring Method for Enhancing Digital Content Viewing Experience」というタイトルで登壇発表を行いました(山浦祐明)」を御覧ください。
今までの研究では画像・動画コンテンツを対象にぼかしエフェクトがどのような影響を及ぼすかと言ったことを調査してきましたが、本研究はインタラクティブなコンテンツであるゲームに対してぼかしエフェクトがどう影響するかを調査したものになります。
そのため、この研究ではまずインタラクティブなゲームに対して、リアルタイムに視線に連動したぼかしエフェクトを遅延なく提示するシステムを構築しました。具体的には、2台の端末を用意し、一方の端末をゲームプレイ用とし、そのゲーム映像をカメラ映像として別端末に転送し、その映像に対して視線を取得しながらGLSLを利用してエフェクトを付与するというものになっています。
このシステムを用いて4種類の実際に発売されているゲームに対してエフェクトを適用するという実験を行ったところ、ぼかしエフェクトは
- 臨場感や没入感といった印象を増幅させる
- 見やすさや心地よさといった生理的印象を低減させるが、集中しやすさを向上させる
- ゲームへの技術力には影響を及ぼさない
ということが明らかになりました。
また、JINS MEME ESというメガネ型ウェアラブルデバイスを用いて客観的集中度を計測したところ、ぼかしエフェクトが重畳されている場合徐々に集中度が向上していくことがわかりました。今後は実験協力者を増やす、個人差などについても考慮し実験を行っていく予定です。また集中度を促進させる効果があることが明らかになったため、ゲーム以外のプログラミングやWordなどを利用した事務作業などのインタラクティブコンテンツへの応用にも使えると考えており、その応用も検討しています。
投稿した論文は以下のリンクよりダウンロードすることでご覧になれます。
発表原稿
発表スライド
感想
今回の発表場所は弊キャンパスだったので新鮮味のかけらもありませんでした。って去年も同じことを言っていますね…。まあ新鮮味は一切ありませんが、家から近いのでそれはそれでいい気がしてきました。海外の方がモチベーションは上がりますが、チキンなので昨今の飛行機やら現地の問題やらのニュースを目にすると尻込みしてしまいます。そう考えるとしばらくは国内での発表をしていきたいですね。
今回の質疑は割とうまく答えられたような感じがします。そうはいっても今までと比較してなので、今までがアレじゃんと言われてしまったら黙るしかありません。1,2年前に比べてアドリブ力が身についた結果なのか、研究としてしっかり進めてきたからなのか、いずれにせよ自分の中でのベストを更新できたような気がします。