中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

JSAI2016 参加報告(新納、佐藤)

   

中村研究室 B4の新納と佐藤です。

6月6日〜9日に福岡県北九州市にて開催されたJSAI2016に参加してきましたので、その参加報告をさせていただきます(発表報告はこちらこちらです)。

気になった発表

佐藤

『屋外大規模イベントにおける動的群衆誘導モデルの構築』山下 倫央、松島 裕康、野田 五十樹(産業技術総合研究所 人工知能研究センター)PDF

駅や会場付近でどのような混雑が発生するのかを推測するのは困難であるため、歩行者シミュレータを利用して人流計測を行うことにより、イベント会場付近の混雑緩和や緊急時の避難誘導などの支援につなげるという研究です。この研究の実験では、北九州市で毎年開催される関門海峡花火大会を対象として人流計測を行っています。

JR門司港駅の構内に深度センサを取り付け、花火大会が行われる時間帯の会場への流入者人数の計測を行います。また、会場から駅までの3パターンの帰宅動線についてそれぞれ計測員がハンディGPSを用い、トラッキングデータを作成しています。これらから構築した動的誘導モデル歩行者シミュレータCrowdWalkに追加し、歩行者数がある一定の閾値よりも大きくなっているエリアのみ通行可能とします。

自分もある程度大きなイベントに参加することがしばしばあり、そのたびに混雑に巻き込まれた経験があるので非常に興味を惹かれました。

『オノマトペ発話による毛筆フォントのデザインと編集』村田 健一、中村 剛士(名古屋工業大学)、遠藤 和也、加納 政芳(中京大学)、山田 晃嗣(情報科学芸術大学院大学)PDF

筆で書かれた「毛筆フォント」について、従来の外観デザインの手法ではユーザがパラメータの値を熟知していることが要求されており、システムの設計者でない人が扱うには難しいものでした。対してこの研究では、オノマトペを入力することでユーザのデザインしたい滲みやかすれといった表現を行っており、直感的な操作が可能なシステムの実現を目指しています。

著者らは、毛筆によって書かれた文字の滲み・かすれ具合が筆圧・筆速と相関があるのではないかと考え、オノマトペについてのアンケートで筆圧・筆速データを得ることにより、オノマトペと滲み・かすれ具合の関係性を導出しています。手法としては、入力ストロークに対して細線化アルゴリズムを施したのち、ノード(ストロークの始まりと終わり、折れ)とエッジ(縦画、横画、払い)というパーツに分類し、各パーツに滲み・かすれパラメータを割り当てていくというものです。

自分も手書き文字に関連する研究を行っていますが、今までは滲み・かすれといった表現にはあまり取り組んでこなかったので、得られるものが多いと感じました。また、この発表を聴いて、オノマトペとアニメーション表現の関係性についてもアンケートや実験を行うことによって導出できるのではないかと考えました。

新納

レビューに基づくコミック探索システムの評価』朴 炳宣(関西大学)、山下 諒(関西大学大学院)、松下 光範(関西大学)PDF

この研究ではWeb上のマンガのレビューをもとに内容情報を抽出し、マンガ探索システムを提案しており、さらにこのシステムの有用性を検証するためにユーザレビューを行った研究です。

ここではhLDAという手法を用いレビューサイトから情報抽出を行い、システムが同じトピックであるマンガだと判断したものをわかりやすく提示したようなシステムになっております。

Songriumといったような音楽の関係性を可視化し、音楽の探索を支援するようなシステムがあることは知っていたんですが、コミックにおいてこのようなシステムがあるということは初めて知り、マンガ好きな自分にとっては非常に使ってみたいシステムだと感じました。また情報抽出などは今後自分の研究でも必要になる可能性があるのでとても勉強になりました。

コマの持つ属性を用いたマンガのシーン自動抽出』久行 智恵、三原 鉄也、永森 光晴、杉本 重雄(筑波大学)PDF

この研究はマンガのダイジェスト生成や、シーンのインデクシングなどを実現するために、まずマンガのシーンが転換した場所を抽出するといったものです。

著者らは、マンガの構造記述モデルとして知られるMMF(マンガメタデータフレームワーク)をもとに、コマの持つ属性についてのメタデータを作成しています。そのメタデータから転換シーンにみられるコマの特徴をSVMで学習させ、転換シーンの抽出を試みています。

私自身、長編マンガの印象的なシーンを探すとき苦労するので、かなり必要性のある研究だと感じました。

感想

今回の口頭発表は二人とも二回目の発表だったため、あまり緊張せずに発表を行うことができました。他の方々の発表についても、興味を惹かれるものや今後の自分の研究に活かせそうなものを多く知ることができ、非常に充実した時間となりました。

また、今回の学会には中村先生がいらっしゃらなかったため、基本的に二人のみでの行動となりました。様々なハプニングに見舞われることもありましたが、時には他の参加者の方々の力を借りながらも無事に学会を終えることができてよかったです。

IMG_4485

 - news, research , , , , ,