第196回HCI研究会で「画面遷移直前におけるプログレスバーのアニメーションの終端が選択に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました(横山幸大)

投稿者: | 2022年1月25日

はじめに

こんにちは。M1の横山です。

1月11、12日に開催された第191回HCI研究会でオンライン発表をしましたのでご報告させていただきます。

今回発表した研究のテーマは「画面遷移直前におけるプログレスバーのアニメーションの終端が選択に及ぼす影響」というものでHCI191で発表したものの続きになります。

 

研究内容

みなさん、ネットサーフィンをしているときに読み込みなどで待たされる時ってありますよね?

その待ち時間を短く感じさせたり、不快感を減らしたりするために、最近では多くのウェブサイトでプログレスバーというものが用いられています。

プログレスバーは、今何が行われているかや、あとどのくらいで完了するかなどをユーザに視覚的にフィードバックするものであり、そのデザインが待機中のユーザに時間短縮などさまざまな影響を及ぼすことが知られています。しかし、フィードバックするときにアニメーションが使われるためユーザの視線を誘導することが考えられます。

ここで我々は、プログレスバーがユーザの視線を誘導するのであれば、その後のユーザの選択行動にも誘導が起きてしまうのではないかと考えました。

そして、これまでの研究で我々は、プログレスバーのアニメーションが100%になる位置に配置される選択肢が選ばれやすくなると仮説をたて、プログレスバーの表示位置とアニメーションの向きが待機後の選択行動に及ぼす影響について調査してきました。

その結果、プログレスバーを下側に配置したり右向きにアニメーションさせた場合で選択が中央に偏る傾向が明らかになりましたが、アニメーションの100%の位置付近の選択肢が選ばれやすいという傾向は見られませんでした。また視線計測を行っていなかったため、詳細な分析ができていませんでした。

そのため本研究では、選択画面に遷移する直前のアニメーション位置を変えたプログレスバーを用意して、視線計測をしながら実験を行うことでアニメーションの最終位置が待機後の選択に及ぼす影響と待機中や選択中のユーザの視線の動きを分析しました。

本研究の仮説イメージ図

本研究の仮説イメージ図

その結果、以下のような傾向が明らかになりました。

  • アニメーションが半分を超える前に画面が遷移した場合、アニメーションの最終位置からやや右に配置された選択肢が選ばれやすい傾向
  • アニメーションが半分を超えるとユーザの視線が中央に集中し始め、中央に配置された選択肢が選ばれやすくなる傾向
  • プログレスバーを提示してから0.3~1秒間までアニメーションを目で追う傾向

今後は

  • プログレスバーのアニメーション進行速度を加減速させた場合の調査
  • 他の種類(スロバー、スケルトンスクリーンなど)や他の形状(円型など)の場合の調査

を検討していく予定です。

 

スライド

論文情報

横山 幸大, 中村 聡史, 山中 祥太. 画面遷移直前におけるプログレスバーのアニメーションの終端が選択に及ぼす影響, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2022-HCI-196, No.15, pp.1-8, 2022.

 

感想

今回、コロナウイルスの感染拡大のため、人生初沖縄のはずだった石垣島出張はかないませんでした。

行ったことないからまだ良いところも知らないし、早朝深夜の移動は負担が大きいし、悔しくなんかないさ…。悔しくなんか……。

何はともあれ、忙しい年末年始に論文添削や発表のチェックなど、サポートをしてくださった中村先生、度重なる議論にご協力してくださった中村聡研究室の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました!

第196回HCI研究会で「画面遷移直前におけるプログレスバーのアニメーションの終端が選択に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました(横山幸大)」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 第200回HCI研究会にて「待機画面におけるプログレスバーの表示位置が待機後の選択に及ぼす影響の調査」というタイトルで発表してきました(横山幸大) | 中村聡史研究室

  2. ピンバック: 2022年度 修了生:横山 幸大【修士(理学)】 #33 | 中村聡史研究室

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