第188回HCI研究会で「未知の音楽に誘導することを目的とした分岐型人力音楽推薦手法の提案」というタイトルで発表してきました(野中滉介)

   

はじめに

こんにちは,中村研究室M1の野中滉介です.

まだまだ出掛けられない日が続きそうですね...皆さんはおうち時間でなにをしてお過ごしでしょうか?

さて,コロナウィルスの影響でオンライン開催となってしまいましたが,第188回HCI研究会にて発表を行ないましたので,その報告をさせていただきます.

 

研究内容

皆さんは,好きな漫画,バンド,などはありますか?

ここで,知名度の低いコンテンツというのは人気の作品に埋もれてしまい,人目につきづらいという問題があると考えられます.

もし自分の応援している作品の知名度が低く,打ち切りや解散になってしまったとしたら,こんなにも悲しいことはありません.

本研究では,このような問題を避けるために,すでにファンであるユーザがその知識を用いて他のユーザを「沼に引き込む」ことで,より効果的に魅力を伝え,仲間を増やすことができるのではないかと考えました.

(※沼にハマる:インターネットのスラングで特定のコンテンツに夢中になること.また,他者をそこに誘導することを「沼に引きずり込む」などと表現することも)

具体的には,対面の推薦行為で相手と対話を行いながら好みに沿った推薦を行う様に着目しました.ただ,いくらファンとはいえ,膨大なユーザに対してそうした対話型の推薦を行うことは時間の都合上できません.

そこで,「最初にすすめた方がよい音楽は割とメジャーなこれ」「この音楽が好きだったらあの音楽好きかも」「この音楽がダメだったらこの音楽が好きかも」「ここまでこれたら,この音楽はどうだろう?」みたいな感じで,対話可能な分岐構造を持った楽曲群(分岐型プレイリスト)をファンであるユーザに作成してもらい,ユーザの好みによって推薦内容を切り替えながら楽曲を提示する手法を提案しました.

 

分岐構造を持った楽曲群のイメージ図

 

このような,分岐型のプレイリストである「分岐あり群」と,通常の音楽推薦と同様に分岐構造を持たないプレイリストである「分岐なし群」を用いて,ユーザに馴染みのないジャンルの楽曲の推薦を行う実験を実施しました.

実験の結果,

  • 分岐を用いて推薦を行うことで,より魅力的で興味を持てる推薦ができる
  • 多少知識があるジャンルは効果的に推薦が可能である
  • 全く未知の音楽には向かない可能性がある

ことが明らかとなりました.

今後は,

  • どのように推薦行為が行われるかについて調査を行い,推薦する側が効果的に推薦を行う方法の支援
  • 誰でも簡単に分岐楽曲群を作成できるUIを実装し,さらなるデータの収集

などを行っていきたいと考えています.

 

詳細は以下の発表スライド及び原稿をご参照ください.興味のある方は是非ご覧になってください!

スライドと論文

 

 

[論文の情報]

野中 滉介, 中村 聡史. 未知の音楽に誘導することを目的とした分岐型人力音楽推薦手法の提案, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), Vol.2020-HCI-187, No.15, pp.1-7, 2020.

 

感想

このような状況の中で,オンライン開催をし議論をする場を設けて下さった運営の方々に感謝を申し上げます.

人前に立つのが苦手で普段の学会発表などではとても緊張するのですが,初めてのオンライン学会では全く緊張せずに発表ができました.一方で周りの反応が分からないのはやりづらさもあったのですが,しばらくはこのような形式が続くと考えると慣れていかなければならないのだろうなと思いました.慣れたくないですね,早く自由に外出できる世の中に戻って欲しいです.

最後になりますが,お忙しい中論文のチェックやサポートをしてくださった中村先生や先輩方,データセット構築や度重なる議論に協力して下さった中村研究室のメンバーに感謝を申し上げます.ありがとうございました!

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