中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

EC2014で「平均文字は美しい」という研究発表を行いました

      2015/04/09

明治大学中野キャンパスで9月12日~14日で開催されているエンタテイメントコンピューティング2014にて,「平均文字は美しい」という内容の研究発表を行いました.これは,明治大学総合数理学部,先端メディアサイエンス学科の鈴木正明先生(数学),小松孝徳先生(認知科学)との連携による研究であり,この学部,この学科だからこそできた研究です.

平均の「あ」

平均の「あ」

この研究は,まず下記の大きな仮説(今回は明らかに出来ていませんが,将来的に明らかにしたいと考えている仮説)から成り立っています.

  • ひとは頭のなかに理想とする文字があるが,手が思い通りに動かず毎回ぶれているのではないか?
  • 多くのひとが考える理想的な文字があるが,ひとはそれぞれそこからぶれているのではないか?

つまり,ぶれているのであれば,回数を重ねて平均化すると美しくなるのではないか?というのが研究のスタートです.

理想と現実,そして平均

理想と現実,そして平均

この研究では,下記の仮説を明らかにするため実験をしています.

  • ユーザ平均文字はその人の理想的な文字であり,実際に書いた文字より綺麗だと評価される
  • 多くの人の全体平均文字は,そのそれぞれの平均文字よりも綺麗だと評価される
  • どの文字を綺麗と判断するかは人により異なる

平均文字を生成するため,本稿ではスプライン補間とフーリエ級数展開を使っています.ざっくりとした平均文字生成の方法は下記の通り.とてもシンプルな方法です.

  1. 筆跡を点列データとして取得
  2. 点と点との間をスプライン補間によって補完
  3. 全ての点を通るような数式を導出(フーリエ級数展開でsinとcosの式にし,x = f(t), y = g(t) の式として表現)
  4. 求められた数式を平均化
  5. t の変化によって平均文字を描画

上記手法にもとづいて実験(10人に5日間,全ひらがな(実験では他の研究に使うためにカタカナも書いてもらった.続きの研究でカタカナにも取り組む予定)をひたすらかいてもらってデータセットを作り,そのデータセットを元に実験を実施)を行ったのですが,とりあえず以下のことがわかりました.

  • (ひらがなの)平均文字は,実際に書いている日々の字(5日分のそれぞれの文字)より圧倒的に高く評価された
  • 全てのユーザの(ひらがなの)平均文字は,全ユーザの(ひらがなの)平均文字に比べ圧倒的に高く評価された
  • ひとは自分の文字が大好き(ひとは,自分の文字を誰よりも高く評価する)

詳しくは論文をチェック頂ければと思います.もし,興味のある方がいらっしゃいましたら私まで.

本発表は,口頭発表賞を受賞しました.ありがとうございました.

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